グラボの複数使用による仕事の役割分担について

 

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上記の記事でFusion360Quadroで処理するように設定しなおしたのですが、

GTXを高負荷の仕事に集中させ、同時に開いているブラウザなどはQuadroにやらせようと思い、Chromeを上の記事と同様の設定をしましたが、タスクマネージャではQuadroの使用率が全く増えません。少し方法を探している間に発見があったのと、そこから気になったことがあったので実験をしてみることにしました。

発見

タスクマネージャでの使用率の上昇は現状Fusion 360動作時にしか確認できませんでしたが、Nvidiaコントロールパネルから表示できるGPU使用率のグラフでは、Chromeでもちゃんと使用率が上がっていました。

そして、それはQuadoroに接続されたディスプレイ上にChromeを置いたときにのみ上昇することが確認できました。

が、GTX上のディスプレイ上の表示が全く動いていなくても、Quadoro上のディスプレイが使用されているときはGTXも同時に使用率が上がります。

そこで、思いつく限りの方法で実験してみました。

実験1(グラボにディスプレイを分散接続)

 

現時点で、グラボとディスプレイは下記の構成です。(バラバラのディスプレイを使っているせいで比較しづらいですが)

3840*2160(4K)ディスプレイ:GTX

1920*1080(2K)ディスプレイ:Quadro

1680*1050ディスプレイ:GTX

 

Fusion360Chromeも、CUDAとOpenGLの処理はQuadroを使用するように設定

Chromeの動作

それぞれのディスプレイにChromeのウィンドウを置いて、Misumiのブラウザ上で商品の3Dモデルを確認できる機能を使い、モデルをぐりぐり回すという動作を試してみました。

使用率は下記のようになりました。

3840*2160(4K)ディスプレイ:GTX20%、Quadro0%、

1920*1080(2K)ディスプレイ:GTX25%、Quadro23%

1680*1050ディスプレイ:GTX20%、Quadro0%

Fusion360の動作

それぞれのディスプレイにFusion360のウィンドウを置いて、モデルを回します。

使用率は下記のようになりました。

3840*2160(4K)ディスプレイ:GTX17%、Quadro65%、

1920*1080(2K)ディスプレイ:GTX3%、Quadro20%

1680*1050ディスプレイ:GTXが7%、Quadro25%

考察

細かい数字は何かの拍子に変わったりしたので、データとしての信頼性はないのでパーセンテージがいくら多い、少ないというのはあまり意味がないですが、Quadro上のウィンドウでの表示でもGTXの使用率が上がっているということが重要です。

この結果が示すのは、画面表示に関わる作業は主となるなグラボが結局PC上のすべてのディスプレイを取りまとめなくてはならないため、通常の表示をQuadroにやらせてもGTXの管理業務はなくならずかえって仕事が増え、

処理のフローにもよるが、ある程度複雑な3Dの計算は多少役割分担のメリットが出てくるという感じでしょうか。

実験2(主となるグラボにディスプレイを集中接続)

次に、ディスプレイをすべてQuadroのポートに繋ぎ変えて下記の構成にしました。

3840*2160ディスプレイ:GTX

1920*1080ディスプレイ:GTX

1680*1050ディスプレイ:GTX

 

Fusion360Chromeも、CUDAとOpenGLの処理はQuadroを使用するように設定

Chromeの動作

それぞれのディスプレイにChromeのウィンドウを置いて、Misumiのブラウザ上で商品の3Dモデルを確認できる機能を使い、モデルをぐりぐり回すという動作を行います。

使用率は下記のようになりました。

3840*2160(4K)ディスプレイ:GTX10%、Quadro0%、

1920*1080(2K)ディスプレイ:GTX9%、Quadro0%、

1680*1050ディスプレイ:GTX9%、Quadro0%、

 

Quadroは一切使用されません。

Fusion360の動作

それぞれのディスプレイにFusion360のウィンドウを置いて、モデルを回します。

使用率は下記のようになりました。

3840*2160(4K)ディスプレイ:GTX8%、Quadro65%、

1920*1080(2K)ディスプレイ:GTX3%、Quadro13%

1680*1050ディスプレイ:GTXが3%、Quadro23%

動かし方によって使用率は常に変動するので、正確に上記の数字になるわけではないですが、おおむね安定したぐらいあたりの平均的な数字を書いています。

2Kディスプレイでの動作はQuadroに接続したときよりも使用率が低いですが、10%くらいの差はあまりあてになりません。

また、これはグラフを見ながら何度か繰り返して数値を見たので確信できますが、解像度の低い1680のディスプレイより1920のディスプレイのほうが少ない数値を表示しました。

もしかしたら、1680のディスプレイは縦向きに使っているので何らかの余計な処理が必要だったのかもしれません。

結果

あいかわらず児童夏休みクオリティの実験ですが、

・タスクマネージャで使用率が一切上がらないのは謎だが、ディスプレイ接続元のグラボはただタコ足の延長ケーブル扱いをされるわけではなく、何らかの仕事は行っている。

・主となるグラボの仕事がなくなるわけではないため、グラボを複数つけたからといってむやみにディスプレイを分散して接続するのはあまり得策ではない。

・よほど得意分野に差のあるグラボを複数使用するか、常に作業分担ができるアプリケーションを実行していない限りは、仕事量をまんべんなくすることが(現時点では)できなさそうなのでアイドル電力分無駄

 

OSの作りに詳しい人なら、こんな実験をしなくともどういうアプリケーションのときどのような処理の場合はどうなるということを知ってそうです。

2種類のグラフィックボードの併用(非SLI)

GeforceQuadroを入手したので2枚挿しで併用してみました。

実用上の意味はあまりないですが、ロマンがあるので十分です。

ソフトウェアごとのGPUの使い分け

NVIDIAコントロールパネルを使用します。

コントロールパネルを開いて下図のメニューを開くと、プログラムの処理ごとに設定を変更できます。

ただし、ブラウザなどの3Dの処理をあまりしないアプリケーション?ではGPUの使用率が上がりませんでした。

1.カスタマイズするプログラムを選択する 

から、任意のプログラムを選択します。

2.このプログラム用の優先グラフィックスプロセッサを選択する

を、一度開いて選択しなおします。(そうしないと設定をいじれない場合があった)

3.このプログラムの設定を指定する

から、GPUを選択できる項目を使いたいGPUに切り替えます。

プログラムによっては選ばせてくれないものもあるようです。

この場合、Fusion 360Quadroで処理するように変更しました。

以上です。

メインでCADをしながら動画再生、メインでゲームをしながら動画再生など、それぞれ使うGPUを切り替えられたらベストなのですがそれはできなそうです。

 

Windows設定→グラフィックパフォーマンスの基本設定からもアプリごとに複数のグラフィックを使用できるという記事を見かけて試してみましたが、選択肢にサブGPUが表示されず、実質使用不可でした。

ディスプレイごとのGPUの使い分け

ディスプレイごとに使用GPUを変える方法がとれれば、プログラムごとにウィンドウを変えれるのでそれでもいいのですが、今のところ方法は見つけていません。

タスクマネージャではディスプレイケーブルをどのグラボに繋いでもサブのグラボの使用率は上がりませんでしたが、NvidiaコントロールパネルのGPU使用率グラフでは、ちゃんとディスプレイの接続先のGPU使用率が上がっていることが確認できました。

ただし、メインのグラボの負荷が減るわけではなさそうです。(詳細は下記記事)

 

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ディスプレイケーブルの接続の分散について

複数のグラボやオンボードグラフィックのディスプレイポートの併用についての記載でよく見るのは、

「ケーブルを刺したGPUが使用されるため、グラボを刺してもマザーのポートにケーブルを刺しているとグラボが活用できない」

「複数のグラボに分散してケーブルを接続すれば、ディスプレイごとに接続した先のグラボが使用される」

というものです。

環境の都合もあるのかもしれませんが、自分の場合は今までいろいろなPCで試して上記の通りになった経験は一度もありません。

 

ひとつはグラボに2本のケーブルを刺し、マザボに一本のケーブルを刺してトリプルディスプレイとして使用した場合、どの画面にゲーム画面を表示してもフレーム数が落ちたり、ベンチマークスコアが大きく異なることはありませんでした。

 

今回も、複数のグラボを活用するために2枚のグラボに3つのディスプレイを分散して接続してみましたが、タスクマネージャではメインのグラボしか使用率が上がらず、サブのグラボは0%のままでした。

 

ディスプレイをまたいでウィンドウを表示することもできるのに、画面ごとに使用するGPUを分けるのは技術的にも難しそうなのでできないほうが自然に感じますが、割とよく見る説なので本当なのか気になるところです。

【ライブディオ】中華キャリパーへの交換

ライブディオのブレーキキャリパーですが、スライドピンが固着していました。

しばらく放置していたのですが、パッドの減りが偏り始めたので修復を試みました。

ブレーキを外してスライドピンがねじ込んであるキャリパーブラケットを金床にあてがい、ハンマーでキャリパーを打撃して固着したスライドピンの強制的なスライドを試みましたが、人智を超えた金属の接合現象"固着"の前には人間のちっぽけな抵抗などは無に等しく、どうしようもないのでキャリパーを新品に交換することにしました。

(ちなみに、キャリパーを外した後に破壊を覚悟でスレッジハンマーで打撃したところ、アルミのキャリパーとそれに打ち込まれたスリーブ、スリーブと摺動するスライドピンのうち、ピンとスリーブが固着したままキャリパーから数ミリずれて飛び出ただけでピンの抜き取りは叶わず、キャリパーが変形したためそれ以上は諦めました。)

といっても純正は程度がわからないし、これといった社外品もなかったので、Amazonの中国製と思しきキャリパーに交換することにしました。

結果として、使えなくはないですが問題点もいくつかありました。

製品にばらつきはあると思いますが、取付を考えている場合は一例として読んでおくといいかもしれません。

キャリパーについて

キャリパーは、レビューから一回り大きいということは分かっていましたが、基本的には純正のコピーと思いきや、割と異なる部分が多いです。

ピストン径

純正はφ30ですが、こちらはφ34です。受圧面積が1.28倍になるため、ピストンの推力はずいぶん上がります。ブレーキ力が摩擦力の計算式通りに出せるなら、ブレーキ力の向上はそのまま28%アップになります。

ブレーキパッド

ブレーキパッドは、台金のサイズは同じですが、ライニングの面積が異なります。

左が純正、右が中華キャリパー付属のパッドとピン

ディオのブレーキを真似しているだけで、対象としているのは他の車体なのでしょうか。パッドピンもピン部分は同じ径ですが、ネジ部が一回り小さいです。

このパッドをそのまま使うとディスクの内側に当たりすぎたり、上の方ははみ出てしまいます。パッド自体は互換性があるためディオ用のパッドを使うのがいいでしょう。

下の写真は新しいキャリパーに純正パッドを取り付けた状態ですが、パッドの端とディスクの端がほぼ同じ高さのため、ディオ用パッドを使えばディスクとの当たりをそのまま維持できます。

取付について

キャリパーブラケットの穴ピッチ

キャリパーブラケットの取り付け穴ピッチは、商品説明に85mmと記載があります。

私のディオにはバイクパーツセンターのZX風フォークに換えてあり、このフォークの取り付け穴ピッチは83.5mmです。純正フォークも83.5mmじゃないかと思うので、85mmといいつつ実は83.5mmだろうと思ったら、ちゃんと85mmでした。

よって、フォーク側の取り付け穴を少し削らなければ取り付けできません。

ZXでないライブディオへの取り付け

私のものもそうですが、ZXでないライブディオはブレーキブラケットの取り付けがなぜかZXと異なり、下端がアクスルシャフトと共締めです。

よって、このブレーキを取り付けるためにはフォークをZX準拠のものに交換するか、キャリパーブラケットを流用する必要があります。

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スライドピンに問題がある場合はブラケットを流用したくないし、

スライドピンを交換できるなら純正キャリパーをそのまま使った方が信頼できるでしょう。

スライドピンが固着して外せない場合はブラケットを流用できません。

 

フォークをZX準拠のものに交換し、ブラケットもZX準拠にするのであれば、今までアクスルに挟まっていたブラケットの厚み分隙間が空くため、ブラケットの厚みは6mm分のスペーサを用意する必要があります。

3mmのスペーサを2枚入れました。

この辺を勘案して交換を決める必要があります。ポン付けのようでポン付けではありません。

問題点

品質

新品を袋から取り出した直後の写真ですがブレーキホースの座面に塗装が割り込んでいます。マスキングから染みてきたのか、塗装は表面に定着してはおらず、引っ掻くとパリパリ割れました。気づいたので剥がしてから使いましたが、このままホースを締めてしまっていたら漏れていたと思われます。

 

加工の品質もいまいち信用できない部分があります。

パッドピンの回転が妙に渋かったので抜いてみると、ピンの先端が刺さる穴が左に少しずれていました。

前述のパッドの当たりの写真でも少し端が浮いているので、これが原因でパッドが傾いてないか心配があります。

取付、取り外し

Amazonのレビューにもありますが、このキャリパーを取り付けた場合、ブレーキディスクを外さないとキャリパーが外れません。

ホイールを外す=キャリパーを外す=ブレーキディスクを外す

ということになり、整備性は非常に悪くなります。

ただし取り付け後に干渉するということはありません。

「純正より少し肉厚があるだけで、引っかかりはわずかだろう。ZXのアルミホイールの場合は干渉しても、無印の鉄ホイールならばホイールが薄いだろうから、案外干渉なく取り付けられるかもしれない」と思っていましたが、全然ダメでした。

鋳物がちょっと厚い、とかではなくピストン径が思いっきり違うからでしょう。

漏れ

ブレーキパッドの当たりの写真を見てもわかりますがピストンが少し濡れています。初めのエア抜きの際、ブレーキレバーを握ったまま一日放置したあと、指でなぞったらオイルが指についたため、漏れていた可能性があります。(完全にふき取り確認、漏れ確認したわけではないので未確定)

ただし、その後は数日保管したあとや乗車後に指で触っても漏れはないので、そこまで問題にすることではないかもしれません。

 

一方こちらは確定ですが、ブリードバルブのネジ部は拭いても翌日には染みています。

地面に垂れるほどではありません。

ブリードバルブを純正のものに交換してみようとしましたが、ネジの長さが異なりテーパー座面に届きませんでした。

 

塗装の割り込みもそうですが、あらかじめ内側にゴミなどが入っていて、それを噛んだり接触面にキズが付いた可能性も否定できません。

私はそのまま使ってしまいましたが、ピストン、ブリードバルブ、バンジョーボルトなど、外せるところはすべて外して確認、清掃、エアブローをしておけば防げる漏れもあったかもしれません。

 

たつき

走行中、フロントからダダダッ とか カタカタ…と鳴ったり鳴らなかったりします。

手で車体を押しても発生するので、キャリパーを触りながら車体を押して症状を発生させて確認したところ、発生源はキャリパーの振動によるものでした。

キャリパーを掴んで揺すると確かにカタカタ動きます。純正ブレーキは車体を入手したときから固着していたので純正と比較してどうなのかはわかりませんが、スライドピンの遊びが大きい気がします。

原因としては、のぞき込むとパッドの端が浮いており、パッドがディスクに対して傾いているためパッドの端とディスクが軽く触れているときにリーディングシューの要領でディスクに突っかかり、スティックスリップを起こしているせいだと思われます。

パッドの傾き自体はパッドピンの傾きのせいか、ピンとピストンの平行が出ていないのか、はたまたバイクパーツセンターフォークのブレーキ取付面が傾いているのか…(その場合、純正ブレーキは下端をアクスルと共締めしていたためフォークの取り付け面の影響を受けにくかったと予想 今回は上下ともフォークに固定している)

 

キャリパーに剛性があればスティックスリップは起こらず振動もしないはずですが、前述のとおりスライドピンにガタがあることも副次的な原因かもしれません。

ブレーキをそれなりの力で掛けているときは発生しません。パッドとディスクの接触によるテンションによりブレーキ全体が支えられて剛性が上がるからでしょう。

 

結果

これまで、中古のバイクしか乗ったことがなかったので新品のキャリパーはこんな感じなのか…という基準がわかったのは一つの収穫でした。

手でキャリパーを押せばそれほど力を入れなくてもピストンを戻すことができ、

キャリパーのスライドはスカスカで、引きずりはゼロでドラムブレーキ車並みにホイールの回転が軽いです。

ブレーキとしては品質に疑問がある部分はだいぶ多いものの機能してはいます。

が、次にキャリパーを交換する機会があっても買う気は起きません。

 

Windowsアプリ版 Amazon musicでダウンロードした曲がどこにもない

2023/4/7

Amazon musicですが、PC版だとオフライン再生するためにダウンロードした曲が普通にフォルダに保存されるとのことだったので、そんな良心的なサービスがあるのか?

と思いつつも、初回三か月は無料だったこともあり試しにインストールしてみました。

 

曲のメニューからダウンロードを行って、設定から保存先に指定したフォルダを見に行ってもフォルダは存在せず、既存のフォルダを設定しなおしてもファイルは何一つ保存されることはありません。

 

ちょっとググってみても、量産型いかがだったでしょうか系サイトしかヒットせず、私のブラウジングスキルでは核心の情報には触れられませんでした。

 

そこで、PCのインターネット接続をオフにしてみましたが、音楽はちゃんと再生されました。やはりローカルに保存はされているようなのでフォルダを検索したところ、ダウンロードされた楽曲ファイルが保存されたフォルダを見つけました。

 

C:\Users\ユーザー名\AppData\Local\Packages\AmazonMobileLLC.AmazonMusic_kc6t79cpj4tp0\LocalCache\Local\Amazon Music\Data\Offline\Amazon Music

 

フォルダ内は木端微塵にバラされた謎のファイルが詰まっていて、単純には復元できないようにされているようです。

その証拠に、このファイルを別フォルダに移動してしまうと、Amazon musicアプリでは曲のリストは表示されていても曲は一切再生できなくなります。

 

ついでにAndroidアプリ版のAmazon musicは、

内部ストレージ/android/data/com.amazon.mp3/files/Music

内に曲が保存されるそうですが、中身は同じフォルダ構成になっていました。

 

月額1000円以下で生データを得られるとは考えにくいですし、設定したフォルダに保存できないのならできないでなにかメッセージを出したりしてくれればいいのですが、何の説明もなく期待した動作が行われないとPC側の不具合なのか、アプリ側のいうこととやることが違うのか(はたまた上記の”ダウンロード”と保存先設定はまったく関係ない機能なのか)わからずモヤモヤするので、これでスッキリしました。

薪ストーブ用温度計の校正方法

薪ストーブの温度計は、いまいち正しい温度を示しているかわかりません。

手持ちのマグネットタイプの温度計は文字盤と針の部分が固定されておらず、磁石でくっついているだけなので、裏から磁石をつまんで回すと針をずらすことができます。

そうなるとなおのこと正しい温度を指しているか心配になってきます。

 

冷えているときにだいたい室温っぽいところを指してはいる、というぐらいは確認できますが、室温では常用する範囲から大きく差があり、あまり細かい目盛はなかったり、そもそも目盛のない位置まできてしまうこともあるのでおよそでしか合わせられず、常用域で誤差が増えそうです。

ある程度高い温度で調整できれば誤差を小さくできるのに…と思っていたときにいい校正方法を思いつきました。

 

適当な鍋で水を沸騰するまで煮て、温度計を貼り付けた鉄の皿を浮かべます。

水は沸騰させても100℃以上に上がらないため、皿を浮かべた状態で十分温度計が温まって針が動かなくなるまで待ち、100℃を指し続けることを確認すれば少なくとも100℃は正確に指す温度計に調整できます。

鍋の底に皿が触れたり水蒸気の泡があまり当たると100℃以上の温度が伝わる可能性があるので沈まないように注意が必要です。

 

写真ではペンキ缶のフタを浮かべています。温度計がぐらつかず貼り付けられるような平らなものを選ぶのがいいでしょう。シーチキンの缶などちょうど良さそうです。

 

狂っている場合は一旦湯から揚げ、耐熱手袋などをはめるか温度計が冷えてから針をずらしては浮かべを繰り返し、100℃を指すようになるまで調整すれば校正完了です。

磁石部分をまわすと針と文字盤がずらせる マジックは校正後に付けた目印

 

LEDバックランプの明るさについて

Amazonで買った中国製っぽいLEDバックランプが切れたので買い換えました。

買い替えにあたり、形状やLEDの個数が大きく違うものを買ってみたので、比較したいと思います。

 

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バルブ1(2020/3購入)

現在は下記のリンクは使えません。商品の入れ替わりが激しいのも中国製セラーの特徴ですが、同形状の商品はたくさんあるため、同じようなものと思っていいと思います。

LEDチップ数が144個あり、外形も大きいです。

消費電流

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新品時に計測し、12Vで1.8Aくらいでした。この商品はウインカー用のオレンジ色のものもある関係で、ハイフラ防止に消費電力を合わせてあるそうで、商品説明通りでした。

レンズの下のリング状のパーツはアルミ(差し込み部はプラ)ですがすぐに熱くなってきます。片方は3年弱の使用で切れ、もう片方は生きていましたが、新しいのに買い替えるにあたりテストしたあと、うっかり地面に落としたら中でカラカラ音がするようになり光らなくなりました。長期間の使用で中の部品が劣化したのかもしれません。

 

バルブ2(2023/3購入)

製造は中国っぽいですが、セラーは日本の会社のようです。

チップ数は30個で、バルブ1よりも個数は大きく減少します。

外形もあまり大きくなく、LEDが取り付けられている部分はすべてアルミです。

ソケット部分はプラスチックです。

バルブ1より倍近い価格でした。

消費電流

商品説明の電流値は850mAです。

点灯直後

点灯数分後

点灯直後の電流値はおおむね表記通りでした。
点灯後、数分放置してみると、電流値は500mA程度まで落ち、アルミ部分は触っていられないほど熱くなっていました。

温度が計測できないので何とも言えませんが、ある程度の保護のために制御が入っているものと思いますが、どれくらいダメージを軽減しているのかは不明です。

バルブ1にも言えますが、基本的に冷却が追い付かない設計であることは間違いないでしょう。

バルブ1に比較して電流値は半分以下なので、発熱量は控えめなはずです。

比較

外形

左がバルブ1、右がバルブ2です。

バルブ2はチップの個数は少ないですが一つ一つの面積は大きく、2.5個分くらいあります。外形もだいぶ小さいですが、アルミ部分が大きいので冷却と明るさのバランスがよさそうです。

チップの個数、面積に大きく差をつけたので、どういう違いがあるのかわかればいいと思います。

やはりチップ数、発光面積が大きいほど明るい気がします。

実験条件

下図のように照度計をバックランプレンズの正面に配置し、1mの距離をとる。

バックランプは2灯あるうちの左側にのみ取り付け、バルブ一個当たりの明るさのみ計測できるようにする。

計測は夜間に行い、計測時は明かりを消し、なるべくほかの光が入らないようにする。

計測結果

左がバルブ2(HID屋 4000lm)(新品時)、

右がバルブ1(Catland)(3年弱使用したもの)です。

レンジを下げるのを忘れていたため見づらいですが、

バルブ2は130ルクス、バルブ1は180ルクスくらいでしょうか。

 

3年弱使用したものとはいえバルブ1は電流値が高い分バルブ2より明るいようです。新品時に計測していなかったことが残念です。

新品同士ならもう少し差がついたかもしれません。

これは左にバルブ2,右にバルブ1を取り付けて点灯したときの写真ですが、

見た目に明るさはあまり変わりません。

しかし、肉眼で目を凝らすとやはりバルブ1の方が明るいことがわかります。

そのほか、バルブ2のほうが色温度が低く見えるので見やすいです。

結果

当然なのかもしれませんが、やはり明るさは発光面の面積と消費電力に比例するようです。IPFなどの大手メーカーのものはヒートシンクが大きくチップ数は少なく、全光束が低いので、(500~800ルーメンくらい)

一定の信頼性を保証するにはそれぐらいが限界なんだろうと思います。

温度が上がるにつれて暗くすることで一発目の光量を稼ぐという方法も、うまくやればできるだろうとは思いますが、大手メーカー品より安い製品がそれほど賢い制御機能を持っているとも思えないので、結局は耐久性と一発目の明るさのトレードオフになりそうです。

 

固着したブレーキディスクボルトの取り外し

KDXのフロントホイールのブレーキディスクボルトがさび付いていたので交換しました。全く交換されていなかった様子で、いかにも固着していそうです。

Dトラ用ホイールを取り付けている間なら最悪失敗しても走れなくなる心配はありません。

中華インパクトレンチがあることも交換を決行する追い風になりました。

プラスネジビットとインパクトレンチを使ったネジはずし

8本あるネジのうち、6本のネジはこの方法で外すことができました。

キルレシオは1:1.3です。

つまり、6本のネジを外すために8本のビットを失いました。

後からわかったことですが、M6は#3のビットが対応らしく、使ったのは#2だったり、以前なめたネジに使って効果があったマイナスビットが今回は全く効果がなかったこと、安物の工具セットに付属した低品質のビットが動員されたことなどが被撃墜数を増やした原因となっています。

方法としては、

  1. ホイールを安定した場所に水平に置く
  2. インパクトレンチに全体重をかける
  3. インパクトレンチをタップ撃ちして、一発ずつ打撃を加える
  4. 何発か続けていくうちにビットが砕けるか、ねじれるか、ネジが外れるか、なめるかする

コツはインパクトレンチへの体重の掛け方で、両手でレンチをへその辺りで構え、脇を締めてレンチと体を剛体と化し、腕立て伏せの要領でネジにビットをを押さえつけます。

レンチを胸のあたりに持ってくると体の重心からずれるため足に体重が分配されて体重の掛かりが甘くなってしまうので、アームバランス(プランシェ)するくらいの勢いで体重をかけます。

プラスビットは安物の工具セットなどに付属して余りがちなので、安そうなものから使っていった結果、ネジを外すと同時にねじれたり、いくつかのネジを外したあとに力尽きて砕けたりしました。

8本中6本はカムアウトしなかったので、(カムアウトした2本もビットがゆがんだせいでカムアウトした可能性がある)#3の高級なビットを使えば耐えるのであればわりと有効な手段かもしれません。

六角穴付きネジは体重をかけなくても全トルクを伝えられますが固着していると案外すぐなめるので、カムアウトしない前提ならプラスネジの方が許容トルクは大きいのかなと思いました。

ベッセル ネジはずしビットを使ったネジはずし

残りの2本はベッセルのネジはずしビットを買って外しました。

小中大とある中で、M6に対応しているのは中と大なので、中サイズを使います。

下穴を開けたりで時間はかかりますが威力は絶大で、あっさり外すことができました。

エキストラクターの反対側に下穴用ドリル&逆ネジタップがついていますが、このドリルの切れ味がいまひとつ悪かったので、少し小さい鉄鋼用ドリルで下穴を開けておくとスムーズにタップが立てられました。

あとはパッケージの使い方どおりにやれば問題ありません。

外したブレーキディスクボルトと強度区分12.9のボルトと引っ掻き合わせたところ、一方的に傷つけることができたためあまり強度区分の高いものではなかったようです。

焼きが入っているボルトには使えないとのことなので幸いでした。

新しいボルトの取り付け

新しいボルトは、元のボルトがそれほど高強度のものではないようなので、ホームセンターのM6ユニクロメッキのプラスネジを買いました。

高強度の六角穴付き皿ボルトにしようかとも思いましたが、あまり硬いボルトを使うと今度固着したときに手が付けられなくなる可能性があります。

また、最低レベルの強度区分4.6だとして、ホイールに1Gの荷重がかかったとしても、ボルトの剪断応力は十分耐えられそうでした。

ポルシェでも1Gがやっとの減速加速度を軽二輪オフロードバイクが超えるはずがないので、条件としては十分だと思います。

締付時にネジ穴を傷めないよう、また今後もM6プラスネジはいろいろなところで使うので、ベッセルの強力そうなプラスビットを買って締めておきました。