Pioneer PL-A38Sの修理(ベルト交換)

家にずっと古いレコードプレーヤーが置いてあります。

捨てるのももったいないし、かと言ってあえてレコードで音楽を聴こうとも思わないので使うわけでもなく、押し入れに入れてしまうと二度と出さない気がするため床面積を占有し続けていたのですが、

とんかつDJアゲ太郎を見たおかげか、レコードというものを改めて意識し、使ってみる気になってきました。

イオニアのPL-A38Sです。個人のホームページの情報ですが1976年ごろに31500円くらいで発売されたものらしいです。44年前。

わけもわからずコンセントに繋ぎましたが、テーブルが回りません。

とりあえず手あたり次第にボタンを押したり針を落としたりしましたが一向に回る気配がありません。

微妙に動作音がするので完全に死んでいるわけではなさそうです。

調べると、故障個所の確認として「手で回して音が出るか確かめてみる」というのがあったため、とりあえずレコードを載せて針を落とし、手で回してみるとちゃんと音が鳴りました。音が鳴れば針の周りの機能は生きていると言えます。

後はターンテーブルを駆動するベルトやローラーが切れたり崩壊するというのがよくある不具合らしいです。

どこにベルトが入っているかわからないので底面のカバーを開けてみました。

筐体は集成材のような材質でできています。

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とてもシンプルです。基盤の一つも入っていません。

メカ的な要素の割合が多いのが昔の機械という感じがします。

蓋を開けたまま電源を繋ぐと、画像左上にあるモーターは回っていました。動作音はモーターの回転音だったようです。

そして、軸は機械の表側に出ています。裏蓋を開ける必要はありませんでした。

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ベルト交換方法を調べるとyoutubeにそんな動画がありました。

構造はあまり違いはないようでこのプレーヤーにも同じ手順が使えそうです。

・外したテーブルの裏側にあるプーリにベルトをかける

・テーブルを戻してテーブルの表の抜き穴からモータ軸が見える位置に回す

・プーリにかかったベルトをつまんで軸にひっかける

ちゃんと簡単に交換できるように作られています。

ベルトを調達します。

プーリ径は200mmなので、周長630mm程度のベルトが必要です。

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Amazonにもありましたが、そんなにしっかり使えるようにするつもりもないので輪ゴムを使うことにしました。

近所の店にあったのが周長360mmが最大だったのでそれにしました。

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飴ゴムはよく伸びるしやわらかいのであまりプーリに近い周長だと張力が足らなそうなのでちょうどいいかもしれません。

150円程度で買えました。

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掛けてみましたが無事に回り、変速も可能でした。

変速はモータ軸が二段になっていて、レバ―の先端のフォーク状の部分が上下することでベルトを掛け変えることで行われていました。

ためしにレコードをかけてみましたが特に問題はなさそうです。

というか音がひずんでいるような気はしますが、問題だとしてもどこの問題なのか、先天的なのか後天的なのかがわかりません。

 

Twitterの画像が保存できない

Twitterアプリで画像が保存できない

2020.10.28

最近、Twitterリツイートがデフォルトで引用ツイートになる変更がありましたが、

そのあたりのアップデートからTwitterの画像が保存できなくなりました。

バージョン8.68.0あたりです。

環境は

機種:Pixel3 XL

OS:Android11です。

以降、画像を保存しようとしても「画像が保存できませんでした」

と表示されてしまいます。

ググってみても再起動、アップデート、スクショで対応など、参考になる記事はありません。

再インストールも試してみましたが一向に改善しませんでした。

が、ふとした思いつきで解決したので記録しておきます。

犯人は.nomediaファイルだ!

Androidでは、フォルダ内にファイル名を「.nomedia」とした空ファイルを置いておくことで隠しフォルダ化でき、他のアプリでは基本的に表示されなくなります。
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LINEでの画像添付時などに出てきたりするのが邪魔だったので、Twitterの画像保存先にはそのファイルを置いていました。

それが最近のアップデートでそれが認められなくなったようです。

.nomediaファイルを保存先フォルダから削除することで問題なく画像が保存できるようになりました。

 

 

旋盤の土台の製作

家電三種の神器のひとつである旋盤。我が家の旋盤は一般家庭としては小さいプロクソン マイクロレースPD230である。中古。

これを適当な机に乗せて使っているが、テーブルへの固定を前提としているのか、接地面積が小さい。モータが接地面から張り出しているため重心もずれていてハンドルを早回しすると機械が傾いてしまう。そのため、ハンドルの動作に影響を受けない重量と安定した接地面積を持つ旋盤のベースを作る必要があった。

そして、三種の神器の最後の一つ、フライス盤が揃ったため、溶接機を交えて製缶加工部品の製造が可能になった。その第一号製品として、旋盤ベースを作ってやろうというわけだ。

構想

厚い鉄板を用意して面を出し、タップを立てて旋盤を貼り付けるだけでもいいのだが、

切り子が落ちるように空間の空いた形状にした方がいいかと思った。ちょうど手ごろなH鋼があったのでそれを使うことにした。旋盤の取り付け面はヘッド側と芯押し台側の両端の二面なので、その幅に合わせてフランジにフラットバーを二枚渡して溶接し、そのフラットバーの面をフライスで出すことにした。

フラットバーは4.5mm、H鋼の幅は125mmなので、中央にフラットバーとウェブ面を接続する柱を入れておき、フランジには高ナットを四か所溶接してフットジャッキをねじ込み、レベル調整できるようにする。

溶接

旋盤の取り付け面の幅を測ってH鋼にフラットバーを溶接する。

次に柱の溶接、高ナットの順に溶接していく。

40Aの100V溶接機を使っているが非常に難しい。濡れ性の悪い金属にはんだ付けするときのように部材のどちらかにだけ溶けた溶接棒がのってしまい全然材料同士がくっつかない。

電流が少ないという意見も聞いたが腕の問題もあると思うので何が悪いのかよくわからない。

何度もやり直してようやくくっつけた。連続したビードが引けておらずところどころ空いているが溶接したあとバールで全力でこじっても取れなかったので良しとした。
面出し

CNCフライスで面削りをする。12.5cm×5㎝のフラットバーの表面を二枚分、125㎠の面積を1mm削る。

我が家のCNCでは鉄の切削は厳しいらしく、

まずはΦ5超硬エンドミル、横方向の切込み2.5mm、Z軸切込み0.1mm、

S6000、F280くらい(うろおぼえ)ダウンカットで加工を開始したが、

削りはじめから工具がビビり、送りや回転を下げてみたりしたがどんどん音が悪くなっていき、最終的には削れなくなってワークの上を滑っていたので加工をやめた。

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底刃がものすごく摩耗している。

次にΦ2超硬エンドミルを使い、Gコードを見ると横方向の切込み1mm、Z軸切込み0.1mm、S15000、F600、ダウンカットで加工してみた。

何を考えていたのか覚えていないが切削速度がやたらに速い。メーカーの切削条件表よりも早い。

おそらくその場の音の具合とかでなんとなくオーバーライドをいじったりしているはずだが、これは後半音が若干嫌な感じになりつつもどうにか削り終えることができた。

削る面積が少なめな設計でよかった。

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仕上がり

スケールを当てて裏から照らすと中央部は面が下がっており、光が通ってしまった。

シムを差し込むと0.03mm程度のようだ。

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そのことをツイートしたら、知らないヤツからリツイートだけされた。

リツイートのみ=晒し上げられているだろうと予想がついたので、そいつのタイムラインを見てみたら案の定見当違いに批判されていた。

塗装

削り面をマスキングし、ミッチャクロンを吹いた後アクリルラッカーを吹いた。

垂れたがまあいい。

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取り付け

現物合わせでポンチを打ちタップを立ててボルト留め。

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ハンドルを回しても機械はズレなくなったがテーブルが貧弱なためテーブルの足が揺れだした。

あとハンドルを回すとき下死点でまごつく感じ、体がデカくなってから三輪車をこぐようなあの感じがやはりあり、送りのムラになっているので、背が高くなった分ハンドルのクランクを伸ばすエクステンションを作ると良いかもしれない。


コンプレッサーに圧力スイッチを取り付ける

我が家のコンプレッサーは、コンプレッサー、タンク、レギュレータなどが全部バラバラに手に入れて組み立てたものなので自動で停止させられません。

タンクが爆発するほどパワーがあるコンプレッサでもないし、短時間しか使わないのである程度溜まったら電源を入り切りすればいいといえばいいのですが、やはり面倒なのと、いじりたい欲を満たすため、圧力スイッチを取り付けることにしました。

このコンプレッサーで初めてお金を使った記念すべき部品になります。

コンプレッサーは各ユニットを簡単に組み合わせることができるカスタマイズ性に自作PCに似た面白さがあります。

 

圧力スイッチは、これを使います。

停止圧力、再始動圧力の設定が自由、ネジもタンクのポートと同径のものがありました。

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届いてから気付きましたが、圧力スイッチのねじは平行ねじでした。タンクはテーパねじなので、本来組み合わせられないペアになってしまいます。なぜできないのか理由を調べると、「交差によってはねじ込めなかったり、ねじ込み不足による漏水の恐れがある」ためと書かれていました。

今更仕方ないのでとりあえずシールテープを巻き締め込んでみましたが締込みに違和感もなく、特に漏れもありません。曲げに対しては正しい組み合わせと比較して弱そうですが今回は特に問題なさそうなので良しとしましょう。テーパねじの商品もあるのかなと思って調べましたがなさそうでした。

 

配線をします。

商品画像では端子が見えなかったのでどうなっているのかと思いましたがカバーを外すと端子がありました。f:id:drops662:20200928015118j:plain

主電源スイッチの間に圧力スイッチを直列に噛ませて取り付け終了。

 

ちょくちょく正しくない配線処理がTwitterで晒し首にされていますが、多分自分も正しくない線の処理をしているので、見ている人はほぼいないと思いますが配線は写らないようにしておきます。

というのは以前、社内の機械を見ているときに三相電源はY端子で接続されているんですかと聞いたら上司からやたらと馬鹿にされることがありました。

配線は俺の仕事じゃないしそれに関わる部署でもないから知ったことじゃねぇよ

危険なことだから指摘しようとするのかもしれませんが…そういうことがあったため少し神経質になっています。

気分はよくないものの、こういう言い方をされると悔しさから勉強しようという気にはなりますね。それでいくとこの前twitterで… これ以上は本当に関係なくなるのでやめときます。以上愚痴でした。

 

針の誤差を確認するため、設定圧力を2バール(2MPa)にし、停止時の圧力を圧力計を読みましたが大きなズレはなさそうです。

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設定圧は最終的には6バールに設定しましたが、これは少しズレたので圧力計読みで6バールで止まるよう気持ち針を上に設定しました。

再始動圧力は1バール設定で、これもおよそ正確に再始動しました。

また、再始動圧力は1バール以下まで針は下がりますが機能はせず、1バールが最小の圧力差のようです。1バール以下で使用する気はないのでかまいません。

これで、市販のコンプレッサー程度の装備にはなりました。

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 色味が似ているのと収まりのいい形状、サイズだったのでいい一体感です。

 

ホイールスペーサの強度?剛性?を解析してみる

ホームセンターのホイールスペーサ

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あのトムも(どのトム)おすすめのホイールスペーサ。

これしかなかったのでこれを買ってきたのですが、

取り付ける直前になって身の細さが気になってきました。だいぶ肉抜きしてあります。

さらに車の後輪のハブ径が139mmなのに対してスペーサの径が大きくなっています。

 

対応するPCDの範囲が広いのと長穴の幅が15mmと大きいため、遊びが大きくセンターを出す仕組みはないため、取り付けの際にスタッドボルトに引っ掛けておくだけだと、外周部にすきまができるくらいズレてしまいます。(スタッドボルト左下)

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どうにかしてある程度センターが出せれば、この隙間はなくすことができますが、

この接触面積でホイールの荷重を負担したとき、何か問題はないのでしょうか。

全面を使って圧縮荷重を受けるだけなのでめったなことはないと思いますが。

 

ちなみに、これはすでに後輪に取り付けて一週間ほど乗っています。センターが出ないので取り付けの際に難儀することはありましたが、(ホイールを差し込んだ後感覚でおよそ中央になるように指でズラしてから本締めした)特に走行中に問題は感じられませんでした。

 

モデリング

取り付け前に紙に型をとり、各部を測ってFusion360モデリングしました。

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加えて、ボルトを通す部分の五か所をノギスで測り、厚みのばらつきがどの程度なのか計測してみました。

5.00、5.00、5.10、5.10、5.25mmでした。

大して精度が出ているわけではなかったので適当なアルミ板を買ってCNCフライスで切り抜けば十分使い物になりそうです。

おそらく材料費だけで購入価格は上回ると思いますが。

シミュレーション

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ハブ、スペーサ、ホイール+タイヤの3つのモデルを作成し、

ハブ、ホイール+タイヤは鋼の塊に設定し適当にスポークをモデリングしています。

スペーサはA6061に設定しています。

それっぽい力をかけたときにどうなるかFusion360の構造解析の試しがてら解析してみます。

※ド素人なので条件指定や設定が正しいかはわかりません。結果は参考程度以下で受け取ることをおすすめします。

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ハブを空間に固定し、ホイールの中心にボルト五本分の軸力に相当する荷重をかけます。

車輪のエッジには1Gのコーナリング荷重が車輪一個にかかったというシビアコンディションとして1300kgfを加えます。

軸力はミスミのボルトの適正締付トルクの技術資料からM12の12.9の強度区分のトルクが11.6kgmのときの軸力が6600kgfでした。

ホイールナットの締付トルクと近かったのでこれを引っ張ります。

この車のホイールナットはP=1.25なので並目ねじと比較して軸力に差があるかもしれませんがとりあえずそのまま使います。

つまり、ホイールの中心には33000kgfを加えます。想像以上の荷重です。

変位

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変位は当然車輪の外周部に最大値がきており、0.15mm程度です。
タイヤのよれと比べればはるかに小さい変位なのでどうということはないでしょう。

応力

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応力はやはりホイールスペーサが一番応力が働きます。

大部分は軸力によるもののようで、荷重をホイールの中心にまとめてかけたせいか、

スペーサの中央へ行くほど応力が大きくなっています。

スペーサの向きを間違えたため、ボルトとスペーサが干渉していますがあまり結果には関係ないと思いますので無視してください。

このスペーサはアルミ鋳物のようですが、

ダイカストの90%を占めるというADC12という材質の引張強さは310MPa、

0.2%耐力は150MPaとなっていますので、これがその材質だとすれば、安全率は1を割ります。

中心にボルト五本分の荷重をまとめてかけているので、きちんとボルトそれぞれに掛ければ若干応力は分散するかもしれませんが、黄緑色のあたりから150MPaになるため、安全率が1を割るのはいずれにしろ変わらないと思います。

まとめ

車輪の横荷重でスペーサの外周部のかかりの浅い部分に何か問題が出そうかどうか、解析でわかったらいいな

と思ってやってみましたがホイールナットの力が圧倒的過ぎるのか、車重程度の横荷重ではスペーサはびくともしないということなのか、ちょっと予想と違う結果になりました。

ホイールスペーサが受けるのはもっぱら圧縮荷重なので、引張荷重や曲げ荷重が加わる部品と違って折れたりちぎれたりしないため降伏してもすぐにどうこうなるものではなさそうですが、座屈すればホイールナットの緩みや、この商品ではないようですがスペーサが割れたりということもあるようなのでその懸念はあると思います。

また、鉄ホイールを使う場合は接触面積が小さかったり、インパクトレンチで適当に締めている場合はもっと軸力がかかっていたりする可能性があるため、さらに気を使う必要がありそうです。

 

圧縮変形の場合、降伏点を超えて圧縮した場合はショットピーニングをしたときみたいに特性が向上するんでしょうか。

だったら、使い込むにつれて性能が上がるなんてこともあったり?

玉切り台の自作3

以前に玉切り台を作りましたが、よそに一つ置く必要が出てきたので、もう一個作ることにしました。

前回のゲージ付き?の形状はとても使いやすかったので同様とします。

 

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とはいえ、全く同じものを作っては面白くないので、より工数を減らした構造を考えてみることにします。

前回のものは構造上のデメリットが思いつかないくらいなのですが、作るときに限って言えば木組みは手間なので、今回はそれを使わないようにしたいと思います。

 

前のもののようにするにはチェーンソーの通り道を作るために段差のないX字の部材を作る必要があり、そうなると分割した腕木を突き合わせて固定するか、板などから切り出すかになってしまい、強度やコストなどのデメリットが大きくなってきます。

ですがある日、常識を覆す画期的なアイデアが思いつきました(おおげさ)

今までは、両手でピースを作ってその間にペンを載せるように2本のX字でワーク(薪)を支えなくてはならないと思っていましたが、人差し指、中指、薬指の3本でペンを持つときのように斜めに伸ばした両側と中央の3本の間に挟めば最低限ワークを支えられます。

すると、☓字を並べるのではなく、腕木を片側ずつ間隔をあけて交互に配置した腕木を梁で連結するだけで済み、ネジ止めだけで組み立てることができ、ほぞを作らないようにするために無駄に材料を分割しなくて良いため強度が極端に弱い箇所もありません。

方向性が決まったので作っていきます。

梁となる部材、ワークを乗せる腕木を切ります。

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屋外に常時置くのが前提なので初めから防腐剤を塗装します。余っていた水性のクリアを使いました。

梁に横木を留めます。

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このままでは、各腕木と梁がコーススレッド二本ずつだけで止まっているため一つ一つがぐらつきやすいので、腕木の下端部をさらに横木でつなぎます。

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これで完成です。

使い方としては、腕木が二本隣り合っている方を目印にチェーンソーの刃を通せば350mm間隔でワークを切ることができます。

切った後も落ちないので、そのまま括るなり運ぶなりできます。

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機能としては前回のものとほぼ同じように使うことができました。

前回と比較したメリットとしては、片側の腕木が一本ずつになったため材料が少なく済み、ほぞを作らなくてよいため作業時間の短縮になります。

前回と比べるとデメリットもあり、腕木の交差する角度が梁の面に依存するため、交差する角度が基本的には直角になります。

ほぞを作る場合は角度は自由にできるため可能だった、幅は狭めに、背は高くなどといった味付けができません。見栄え的にも直角で交差するより70°くらいのほうが見栄えよく感じます。

 

梁が左右の腕木を支えるため、横から見たときに交点の直下すぐそばに梁を配置することになります。

腕木の厚み分だけが刃と梁の間の最小クリアランス(下図A寸法)となるため、斬り下ろしたときに勢い余って梁まで切ってしまう可能性が高くなります。(前回の形状の場合はB寸法)

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あとは、ほぞで組むよりはワークの重みで生じるX字を広げるような力に対する強度は小さくなると思います。

デメリットに関してはいずれも水面下の問題なので、実際の使用に問題が出ない限りはあまり気にすることはないと思います。

 

薪棚のアップグレード

薪棚を作ってから2年経ちました。

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二回の冬と数回の台風を乗り切れたことには安心しましたが、いくつか不満があります。

・側面に板がなく、軒が短いため横向きの雨で結構薪が濡れる

・背面に植木があるため枝を伝って雨が垂れてくる

・剛性不足

・奥行き800mmで作ったが400mm程度の薪が多いため余裕がない

・棚板がないため細かい枝が落ちることがある

これを一部解消するため、改造することにしました。

剛性、サイズに関しては骨組みを今さら変えることはできないため、

雨を防ぐのをメインにします。

具体的には、屋根の拡大と背板、棚板の取り付けを行います。

屋根の拡大

屋根は長さ2000*幅950のオンデュリンクラシックシート二枚を半分にすることで長さ1000mm、幅3500mm程度の屋根とし、2700×800mmの薪棚に合わせているため、

長手方向の軒はある程度長くなっていますが前後方向には100mmしか確保できていまません。

フレームの細さといい、なるべく安く簡単にしようとしてもうひとつ足りない感じになるのが私の悪い癖。(杉下右京風に)

そこで、もう一枚オンデュリンを追加して四等分し、長さを300mm程度伸ばします。

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屋根を下ろしました。だいぶ日焼けして、新品のオンデュリンより色が鮮やかになっています。

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オンデュリンをはがし、屋根枠を拡大します。

下の写真は製作当初の屋根枠ですが、長手方向が桁、短いほうが垂木として、

垂木を桁で挟み込んでいるような構造になっています。

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これをばらし、垂木を長いものに取り換え、オンデュリンが二枚重ねになるため重ね部分にも釘が打てるよう、桁を追加します。

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中央右寄りの桁が左右の桁よりも短く、垂木までで止まっていますがこれは設計ミスです。

オンデュリンを重ねずに使っていた頃は重ね部分がないため真ん中に桁がなくてもよかったのですが、

重ねて使う場合は重ねた部分にも桁がないとトタン釘が打てないため、

三本の桁が全て屋根の総幅になるようにしておかなくてはなりません。

つまり、下の写真の下側赤色の四角で囲った裏側には桁がないので、

重ねたオンデュリン同士が固定されることもなく空中に浮くことになります。

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並べると色がだいぶ違うのがわかります。

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前回の失敗であるトタン釘を谷に打つという暴挙を再度行いました。

(オンデュリンには専用の固定用ビスがあることを知らずにトタン釘を買い、トタンを屋根に固定する場合は通常波の山部分に打たなくてはならないところを、長さが足りなかったため谷に打った)

前のトタン釘が余っていたからつい…

ちなみに、オンデュリンを外したときの前回の釘の状況は、釘の頭はサビていましたが軸までサビていたものはありませんでした。

正しく打たれたものは頭もサビないとしたら問題なのかもしれません。

ちなみに釘はクロメート処理(たぶん 色的に)の鉄製でした。

背板の追加

背板はルーバーにするのが風通しもよく、雨を通さずかっこいいので良いですが、作るのはとてもめんどくさそうだし、ルーバーラティスを買うのも都合のいいサイズがあるともわからないのでどうしようかと思っていましたが、ホームセンターを物色していたら1800*900のサイズが売られていました。1枚3980円*3枚。

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棚のフレームの幅は2700のため、三枚並べるとちょうど隙間なく並べられます。

過去の自分がなぜ2700にしたのかわかりませんがでかした。

コンパネも1800*900がよくあるサイズなのでそれを考慮して倍数にしたのなら流石ですがそんな深い考えはもっていないでしょう。

背板を張ることにより副作用として長手方向の剛性は上がるはずです。

無塗装のものを買い、コロラドグリーンに塗って貼り付けます。

 ふたたびコロラドグリーン1.7L缶を買いました。

二回塗りします。

ラティスの塗装のみで容量の70%がなくなりました。

屋根枠も塗ったので、初めから7L缶を買っておけばよかったかもしれません。

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右が一回塗り、左が二回塗り後。

一回塗ればいいかと思いましたがやはり二回塗った方がきれいです。

完成 (20200629)

屋根を乗せてラティスを打って作業終了。

軒が大きくなり、背板が増えて向こうの景色が見えなくなった分スカスカ感がなくなって見栄えのバランスが良くなった気がします。

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屋根は友人を呼び、二人がかりでやっと載せました。

だいたいこのサイズが足場などを使わない場合には人力の限界だろうという実感があります。

屋根枠のミスに関しては、桁の両端にもともとオンデュリンの端を留めるための板を後から張る予定だったので、それで支えになっているのと、

一枚目の写真の桁とオンデュリンの山の隙間に棒を突っ込んで仮の垂木として重ね部分を支えています。そのうち桁を追加して釘を打っておきたいと思います。

 

相変わらずミスりましたが、ぱっと見はイケてるのでどうにかなったかなと思います。

 

長手方向の剛性はもともと筋交いが入っているうえ、ラティスを張ったことでだいぶ頑丈になりました。

前後方向は当初のままなので、柱を掴んで揺さぶると歪んでいる感触があります。

側面も板張りにすればだいぶ変わると思うので考えておこうと思います。

もう一台薪棚を新規に作るならきっとうまくいく気がします。

 

後日、多分初めて?ほぼ満載状態になりました。

とりあえずは大丈夫そうですが部材が若干反ったり隙間が空いている箇所があります。

全力で揺すったらブッ壊せそうな感じがするので強度はやはり十分ではないと言っていいでしょう。

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自分の考えた設計で、ミスをしても文句を言ってくる人はおらず、何を用意して何をすれば目的が達成できるのかが頭に入っている状況でする作業は楽しかったです。

これでお金がもらえたらいいのになと思いながら作業していました。

その後

2020/1

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完成してから初レベルでけっこう雪が積もりました。

30~40cmくらいでしょうか。屋根の面積は1300×3500なので、

体積は雪の高さ300mmとして1.3*3.5*0.3=1.365[㎥]

新雪の重さは1[㎥]あたり150㎏らしいのでおよそ200㎏ほどの荷重が屋根にかかっていると推定できます。

まあ数字がわかったところで役に立つわけではないですが。

雪が載った状態でゆすってみました。メリメリ言い出すようなら本当に崩壊寸前かと思いましたが、重みのせいか、接合部に大分テンションがかかっているせいか、いつもより剛性があるような手ごたえでした。

とはいえ相当な負担であることは間違いないので雪を下ろしました。

これ以上積もらないようには気を付けたほうがよさそうです。