一つのスピーカに複数のデバイスを接続したい
自分の環境では、メインのPCとサブのPC(10年落ちMacmini)のふたつを使っている(ほぼ使っていないが)のだが、メインのPCには当然スピーカを接続するが、サブのPCを使うときにスピーカが接続されていないと線をつなぎ変えたりしなくてはならず不便なので手頃な道具でスピーカを共有したい。
三つ又のオーディオケーブルを作って接続するという方法は簡単にそれを実現する方法だと思っていた。
しかし、その考えのもとセンターコンソール一体型のオーディオを持つ車にもう一つオーディオを増設し、配線をまとめてスピーカ配線に接続したら純正のオーディオが破壊された。どうやらただ線をまとめるのはマズいやり方のようだ。
PCならOKということはないだろう。
シンプルな(すっきりした)デザイン
Amazonで”オーディオミキサー”というキーワードで調べると、いかにもオーディオ機器といった検索結果の中にやたらシンプルな見た目の商品がある。
【正規代理店】belkin マルチイヤホンスプリッターイヤホン分配/分岐 ロックスター ブルー F8Z274btBLU
- 出版社/メーカー: Belkin Components
- 発売日: 2013/11/01
- メディア: エレクトロニクス
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値段も1400円程度と安い。これの次に安い商品は価格が1000円上がる。
評価も高く、レビュー数も多い。
レビューの一部を読むと、「六つのイヤホンジャックのどこに入力、出力機器を接続してもそれがミックスされて出力される」といったような文章がいくつか目に入ってきた。
これだよ。探していたモノは。
1400円という決して安くはない微妙な値段(ダイソーでイヤホンの分配器は100円で買えるから)も、この機能をなるだけシンプルに実現するインテリジェントな電子回路には最低限必要なコストなのだろう。
…と私のような素人が思いこむには巧妙な価格設定だった。
シンプルな(単純な)デザイン
購入し、さっそく接続してみた。
PCとスピーカの間に挟んで音を鳴らしてみる。音質に変化はない。
では、スマホをさらに接続してみる。ここからがこのスマートなプロダクトの本領発揮である。音楽を再生してみると、音が聞こえない。音量を最大にするとあ、ちゃんと鳴ってたんだなと気づく。
特に問題なく二つの入力が混じっているが、ボリューム最大の音量にしては小さくないか?そういえばPCの音も小さくなっている気がする。
この製品を外して直接スピーカを接続すると、音量は三倍ほどになった。
ミックスはできているものの、こんなに音が小さいんではアンプのない自分の環境では音量が実用に足りない。
弱ったな...と製品をしげしげ眺めていると、イヤホンジャックの穴から向こうの景色が見えた。
中身スカスカじゃね?インテリジェントな回路はどこに?
どこかで音声入力を簡単にミックスするには抵抗を挟まなくてはならないと聞いた気がする。まさか、音量が小さくなったのは抵抗が挟まっているからでは?
そして、まさか抵抗器しか入っていないのでは?
すぐにナイフでこじ開け、真っ二つにした。
予感通り、各LとRに一個づつ16Ωの抵抗が挟んである。あるジャックからあるジャックへ信号が通るには二つの抵抗を介すから、38Ωの減衰器として働く。
ダイソーで売っていたとしても納得の回路構成である。
中身を見てから「コスパが高い」とか「すごいことに、すべてが入力かつ出力として働く」とかいうレビューを読むと滑稽に思える。
なにも不思議ではない。滅茶苦茶長いスピーカーケーブルを逆さに使っても問題ないのと変わらない。
そして、悲しいことに自分もその滑稽なヤツのひとりである。
いろいろ言ったが、複数入力出力が自由にできるという機能はしっかり果たしているのでそういうものだと思って使えば別に品物としては悪いものではない。
スマホの音量を最大にすれば五人でイヤホンを使って音楽を楽しむこともできるだろう。