タップを自作してみる

まえがき

「おねじに溝3本切ればタップになるんじゃね?」

という考えが浮かんでからずっと気になっていた。

が、試すのもなかなかめんどくさく手間をかけて作る必要があるほど市販のタップが高いわけでもない。

うまく行ったからといってどうってこともないためモチベーションも上がらない。

先人がいて、その結果が聞ければ十分気は済むのだが、ググってもめぼしい情報は手に入らない。

そんなとき、ダーツのバレルを自作しようとしたことで、タップの自作の必要性が出てきた。

ダーツの部品はユニファイNo.10−32というネジが使われているため、そのネジ穴を加工しなくてはならないが、何度も使うあてはないからタップを買うのはもったいない、

というわけがあるからだ。

 自作る

ということで、ホームセンターでユニファイ10-32のネジを買ってきました。

ネジを切る上で掴みしろが必要なので、半ネジの長めの焼入れボルトがあればよかったのですがステンレスのなべネジしかなく、長さも20mmくらいのが売っている最大でした。

まあダーツのタップ穴は10mmもないので何とかなるだろうと買ってきました。250円ほど。

写真は撮り忘れましたがググったら同じものがありました。

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ネジの頭をグラインダーで落とし、縦溝を切ります。

プラスのすくい角ができるように気持ち斜めに切り込みました。

これは一個目です。傾ける方向を間違えてすくい角がマイナスになっています。

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3本溝にしたかったですが刃のコントロールが難しくネジをだめにしそうだったので二本にしました。

これは二本目。次は間違えてません。

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溝とネジ山のふちにバリができるので、カッターの刃の背の後端側のカドをスクレーパーがわりにして削り取っています。

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完成した部品に旋盤で下穴を開け、作ったタップを立てます。

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相手部品は真鍮です。

すくい角がマイナスになってしまった一個目のタップを使っています。手応えはタップとしてはあまりいい感じではないですが、チャックを回すごとにちゃんとタップが進んでいきます。

下穴に底付きするまでねじ込んでタップを抜いて仕上がりを見ると一応ネジ穴になっています。

タップの溝にも切り子が溜まっているので、切削はできているようです。

出来上がったタップ穴にダーツのチップ、シャフトをねじ込んでみましたが問題なくねじ込めました。

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二本目の比較的うまくいった方はバレルの完成後に作ったので仕上げタップ的な意味で再度通しています。

詳しくは、

一本目のタップ

・すくい角マイナス

・溝一本

・バリ処理なし

→ダーツの部品はねじ込めるが、抜いたタップを指でつまんで加工したネジ穴に再びねじ込むのは難しい

二本目のタップ

・すくい角プラス

・溝2本

・バリ処理あり

→完成したバレルに再度タップを立てたあと、抜いたタップをつまんでねじ込める

 

という感じになります。

二本ともタップにしてしまったので普通のネジがネジ込めるかは試せていませんが、ダーツの部品のねじは多少甘めな感じなので、おねじで作ったタップに同じおねじをねじ込む場合、ベースが同じなので寸法差が0になるでしょうから難しいかもしれません。