まえがき
KDX200SRの純正ウインカーリレーを、ランプをショートさせたときに壊してしまいました。
汎用的な部品でなく、ヤフオクでも手に入らないため自作せざるを得なくなりました。

純正ウインカーリレー周りの回路
しかし、よく見られる2端子のウインカーリレーのように、電源の上流をオンオフしてスイッチで左右に振り分け、下流のランプに流すというシンプルな回路ではありません。
KDXはバッテリーレスのせいかランプが前後交互点滅で、車体の電源は交流です。
いろいろと変わった点が多いせいかリレーには6つの端子があり、内部の回路が推定できません。
この場では、電源を別で確保しなくてはならなかった回路を1代目、
純正のコネクタのみで完結することができるようになった回路を2代目と呼びます。
2代目製作へ
1代目は、ヘッドライトをLED化した後、近いうちに故障しました。
故障はタイマICの破損で、原因は未確定ですが、ヘッドライトでの消費電力が減ったことによる供給電圧の上昇で耐圧を超えたと想定しています。
その後修理しても再発やところどころで不具合があったため、設計からやり直して再製作しました。
1代目は回路に供給される電源がすべてランプを介していることからトランジスタ、IC、リレーを駆動する必要や、ランプの電流をグランドに落とすことから、回路の駆動のための電力が得られないと思っていたため、純正のコネクタとは別に線を2本追加してランプの上流から回路駆動用の電力を得ていました。
この辺もスマートではないためどうにかしたいと考えていました。
そして、ついに純正の6端子のみで完結する回路を考えつき、実現することができました。
自作ウインカーリレー回路(2代目)の能書き
純正が交互点灯であることから発電量と消費量を平均化したい意図が見えることと、純正の雰囲気を残したいので交互点灯を維持することにします。
結果的には回路の電源を確保するためにも交互点灯が必要でした。
雑な手描きの回路図ですが、こういう回路になりました。
回路の動作
スイッチング回路内は車体電源を5Vに降圧する3端子レギュレータ、ウインカーの点滅のためのタイマIC(NE555)、リレーを駆動するためのトランジスタが含まれており、5Vの2回路入りリレーを駆動しています。
交互点灯のため、まず点灯するのは前後のどちらかで、合図にラグが発生します。まあた、一瞬しかスイッチを入れなかった場合はどちらかが点灯しません。
線を繋ぎ変えればどちらが先に点灯するかは変えられますが、走行中より早く合図を気付かせたいのは車線変更時の後続車に対してかなと考えます。
左右の前と左右の後ろを同じ色でまとめているので、後ろのランプの線(多分緑?覚えてない)はNCに接続しています。
電源供給
交互点灯により前後のランプを2つの接点に分けているため、消灯中のランプを介してインジケータランプとスイッチング回路に電源を供給しています。
電源は交流ですがスイッチング回路は直流駆動のためダイオードで半波整流しています。1000μFのコンデンサで平滑していますがアイドリング回転が低いと電量が不足するようで点滅が速くなってしまいます。
ターンシグナルインジケータについて
インジケータは点滅させる方法が思いつきませんでした。スイッチング回路の電源供給と並行して電源を供給するため、ウインカー点灯時は常時点灯しています。
3回路入りのリレーがあれば点滅できるかもしれません。
オイルレベルスイッチについて
インジケータのランプはオイル警告灯と共用されているため、オイルレベルスイッチがオンになったときの回路への影響も考慮する必要があります。
レベルスイッチがオンになるとリレー回路に電源が供給されてしまい、回路が起動してリレーが動き始め、リレーが切り替わった瞬間にオイルレベルスイッチから来た流れが短絡してしまいます。
そのため、インジケータに向かうライン(赤枠から左に出ている線)にもダイオードを噛ましています。
回路図によればオイルレベルスイッチにもダイオードが入っているようなので不要なはずなのですが、テスト当初にダイオードの向きを間違えて付けていて、オイルレベルスイッチがオンになったときにウインカースイッチがニュートラルでも回路が動作していたので、すでにオイルレベルスイッチのダイオードが故障しているのかもしれません。
問題点
・この回路だと、オイルレベルスイッチがオンしているときはオイルレベルスイッチ→各ランプ→グランドと流れてランプがすべてうっすら点灯してしまいます。
間違っても点灯してるようには見えない程度ですが面白くはありません。

・点滅時の”滅”のときもランプはうっすら光ってしまい、完全消灯しない。
スイッチング回路とリレーに電力を供給するためランプには消灯時も電流が流れるせいと思われます。
・インジケータが点滅しない
インジケータはやはり点滅させないと純正の互換とは言えないので今後方法を考えたいと思います。
・インジケータを電球にできない
インジケータは交流対応のLEDに交換して抵抗を大きくしています。インジケータは交流対応のLEDに交換して抵抗を大きくしています。これにより、交流電圧が+のときは電流がスイッチング回路とインジケータに分配されるので、インジケータ側をなるべく高抵抗にしてスイッチング回路側への供給を増やしています。
また、消灯中のランプを通して回路とインジケータに電力を供給しているので、インジケータの抵抗が小さいとウインカーランプに流れる電流が増え、うっすら光る消灯中のランプの明るさが増します。
・球切れ、断線等があるとNO側が点灯せず、NC側がハイフラになる
NC側は回路の駆動に関わらず点灯しますが、スイッチング回路の電力は点灯してないほうのランプを通して電力を供給しているため、球切れ、断線等があると電力が供給されません。(そのはずが、実際には3つのランプを迂回してわずかに電力が供給されるのか、リレーの動作音がしてハイフラとなる)
取付

基板自体が大きくなってしまうのと、オス側コネクタがないため接続部を水やゴミからある程度保護するために車体側コネクタごとケースに入れており、ケースが大きくなってしまいライトカウル裏には収まりません。
やむなく3Dプリンタでなるべくコンパクトに作ったケースに収め、フロントフォークにクランプしています。
フルロック時にギリギリどこにも干渉しないようにはなっています。
純正ウインカーリレーは
純正ウインカーリレーはバイメタル式のリレー?を使っていただろうと思います。
これは回路のに流れる電流で発生する熱で動作するため、ランプに直列に接続されていればよく、電源は必要ありません。
とはいえインジケータの電球に電力を供給しなくてはならないため、ウインカーランプを通って電力が供給されているはずですが、純正ウインカーのときはランプが光っていた記憶がありません。
よくある2端子のウインカーリレーなら、消灯中のランプを並列、直列にフル活用してウインカーランプの一つ一つに流れる電流、電圧を分散しながらインジケータに電力を供給しているため、ランプがうっすら光らないのも納得できるのですが、この車種の場合は上流でウインカーランプのうち2つは使えないことが確定しているので、インジケータに対してウインカーランプを1:1でしか利用できません。
そこのところがいまだに謎のままです。
純正ウインカーリレーが失われた今、それを知る手立てはありません。