まえがき
KDXのエキゾーストから墨汁が漏れてくるので、
とりあえず強めに締めとくかと思ってエキパイフランジを強め(25N・m)で締めてしまいました。
途中から現れたヌメッとした感覚には気付いていましたが、一応M8の締付トルクとしては範囲内(8.8と10.9ボルトの締付トルクの中間ぐらい)だから大丈夫という考えと、下手にトルクレンチを使うと「もう一息できっと鳴るはず…」と締めてしまい、無事フランジを曲げてしまいました。
エキパイにフランジを入れた状態でマフラーが出来上がっている(一体型?)ので、フランジを取り外そうとすれば破壊は避けられません。
どうすれば戻せるかな?と少し考えて試した方法がおおむねうまくいきました。
独自の方法をやる前に少しググってみてはいましたが、スパッと欲しい結果は得られなかったので紹介します。
どんな場合でもうまくいくかはわからないので、自己判断でお願いします。
フランジの曲げ直し方
方法は簡単です。たぶん知ってる人は当たり前に知っていて書くまでもないということで検索結果が振るわないのかもしれません。
何をするのかというと、
フランジのボルト穴に長めのボルトを締め付けて生やし、ボルトに鉄パイプをかけて腕力で曲げ戻します。
コの字を作って、横棒二本(生やしたボルト)を広げると、曲がった縦棒(フランジ)の反りが戻るということです。
必要なもの
- スタッドと同じサイズか、できるだけ太くて長いボルト
- 厚くて径の大きい座金(2枚)
- ナット
- 鉄パイプ
これを必要数用意します。(大抵スタッドボルトは二本だと思いますが)
あとは写真を見れば誰でもわかると思います。
この場合、手ごろなショルダーボルト(ネジ部がM8,軸部が10mmの段付きボルト)があったためそれを使いました。
段付きなのでナットは反対側だけでいいですが、普通のボルトなら、ナットと座金2個ずつでサンドイッチにしてください。
少し歪みが残っていますが、そこそこ直せています。
フランジの写真左側のボルト穴付近に膨らんだ箇所がありますが、そこだけ幅が広いせいか、そこだけ曲がりが戻っていないことが確認できます。
解説?
厚くて大きい座金が必要な理由は、なるべく曲げたくない場所の剛性を上げるためです。
フランジの中ほどが反っているなら、そこが一番弱くなるまで周りを強化してやらないと、力をかけたときに曲げたくないところまで曲がってしまいます。
写真では少し曲げが戻っていない箇所が見られますが、ここが強いせいだと考えられます。
逆に言うと、フランジのエキパイを抱いている輪っかの断面形状が、でっぱりなどがあって均一でなかったり、スタッドが通る耳の部分が細いなど、形状によってはうまく行かない場合も考えられるので、フランジ形状を見て、必要ならば工夫したり別の方法を取るなどしてください。
あとがき
上手く治ったと思って、弱めの15N・mで締め込んだら結局じわじわ曲がっていってしまいました。
スタッドも曲がってしまっているようなので、フランジナットのフランジが端から当たってしまうため、フランジを曲げる力が働きやすくなっているのかもしれません。
念のためあらかじめフランジとシリンダーの間にストッパとしてワッシャを入れておきましたが密着するところまで行ってしまっています。
完全に治すにはスタッドもちゃんと植え替える必要がありそうです。