ライブディオ シート張替え

ライブディオのシート革を張り替えます。

破れていたので黒い養生シートを貼ってごまかしていましたが、

白けているのもあってボロさがにじみ出ています。

同じく白けた黒樹脂部分やキャリアは再塗装しているのにいまひとつ見栄えが悪いのはシートのせいが結構大きい気がします。

張り替えるシート革はAliExpressで調達します。amazonやメルカリより断然安いです。

おそらく転売なので当然かもしれません。

s.click.aliexpress.com

色の選択肢が多いですが、あまり純正から印象が変わるのは避けたかったので黒にしました。

作業

シートを外します。メットインを開けてヒンジのナットを二つ外すだけです。

失敗したときのため、とりあえず元のシート革は外さずに作業します。

写真をだいぶ取り忘れましたが、作業手順は下記のとおりです。

・リア側のパイピングを目印に位置合わせしてタッカーで仮止めする

・前の先端をめいっぱい引っ張ってシワを取りつつ固定する

・左右に偏りが出ないように気を付けながら引っ張って固定する

(この時点でほぼ十字に固定される)

・残りの部分を、シワが消えるように方向やテンションを加減しながら引っ張って固定し、全周固定します。

下に純正シート革が残っているのでHONDAロゴのあたりにパイピングが浮き出ているのがわかると思います。

この安さなら形が合わないとか、やたらに薄くてすぐ破れるとかもあるかも、と覚悟していましたが、思っていたよりもだいぶ品質は良く、これで1000円以下というのはだいぶお得感があります。

バイクパーツセンターのTODAY用シートASSYを買ったことがありますが、皮部分は結構薄く、すぐ破れていましたが、それよりも丈夫そうです。

純正シートの土台が生きていて、作業の手間が許せるなら自分で張り替えたほうが良いいのではないでしょうか。

問題点

横にイカしたDIOのロゴがありますが、シワがなくなるまで引っ張って留めると少し見切れます。

裾にはまだ余裕があるので、多少アンコ盛りなどをするとちょうどいい位置になりそうです。

 

あと、これは商品の問題ではありませんが、MAXのガンタッカ(ダイソーにも売っているサイズの、ホッチキスよりは大きいが、純正シートを留めている針よりは小さい感じのやつ)

を使いましたが、貫通率は10%くらいで大体は半刺さりで止まってしまいます。

完成

一応留まってはいるので組み戻してみました。

ハンドメイド感は否めない気がしますが、とりあえず発色は新品感があるし、サイドのDIOロゴも純正にはないワンポイントで少し若返った印象になりました。

 

ANYCUBIC Vyperを買った話+Kobraとの比較


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ANYCUBIC Vyperを買いました。

発売からだいぶ経っているのでレビューとしての価値はあまりないなあと思いつつこの記事をさあ投稿しようとした矢先、新型のKobraが発売されました。

せっかくなので、比較でもして記事に価値を付けようと思います。

マムシ vs コブラ

スペック比較

めぼしいスペックを表で比較しました。

  Vyper Kobra
エクストルーダ方式 ボーデン ダイレクト
案内方式 V溝+ローラ V溝+ローラ
Z軸駆動 ねじ送り(2本) ねじ送り(1本)
フィラメント位置 側面 上部
造形サイズ 245*245*260 220*220*250
ノズル温度[℃] 260 260
ベッド温度[℃] 110 110
最大印刷速度[mm/s] 180 180
ノズルサイズ 0.4 0.4
タッチパネルサイズ 4.3 4.3
オートレベリング点数 16 25
金額[$] 359 299

 

有利かな?という項目は黄色で塗りつぶしています。

スペックに大きな違いはないので、Vyperを廉価にしつつ、後発な分改良したという感じなのかなと思います。

上位互換でなくて安心しました。

オートレベリング

オートレベリング点数はKobraの方が多く、金額も安いです。

が、Vyperのように左右の送りねじによる調整ができないので、正確に測れても造形にフィードバックしきれるのかという疑問はあります。できてしまうのなら逆にVyperが送りねじを二本持っていることの意味が問われますが…

Kobraの公式Youtubeでの紹介動画を見たところ、Vyperのタッチセンサはノズルと一体ですが、Kobraはタッチセンサを別で持っているようです。

エクストルーダ方式の違いによるものでしょうか。

エクストルーダ

エクストルーダ方式は機械の剛性さえあればダイレクト方式にしない手はないと思っていますが、案内方式やローラの配置にも大きな違いはなく、フレームの断面サイズもおそらく同じであることから剛性は同じくらいと予想されるため、優劣はつけきれません。しかし、フレームが同じならKobraの方がコンパクトな分頑丈ともいえます。

どちらもTPUは印刷できますが、その場合はKobraのほうが良い結果が得られるかもしれません。

フィラメント配置

Kobraはフィラメントの配置が上なのは良いところではないでしょうか。

Vyperは側面配置ですが、フィラメントがだいぶ幅を食うため、スペック上の機械の横幅は500mm強でも実際に設置スペースの幅は800mmは必要になります。

高さに制約にある場合は優劣が入れ替わりますが、タテのスペースの方が有効活用はしにくいと考えられるため、フィラメントが上方空間を使うのは理にかなっているように感じます。

さらに、Kobraはダイレクト式で、ボーデン式よりはフィラメントの配置も自由度がありそうなので、取り回しに気を付ければ側面や背面に移動することもできそうです。

Vyperのレビュー

ハードウェア

フレームの構造

部品は大きく土台と門型フレームに分かれています。

門型フレームは組み立ての際に必要とあらばダイヤルゲージに久しぶりの出番を与えようと思っていましたが、柱がはまる部分のフレームにはきちんと溝が切られていてボルト穴の余裕分遊んだりしないようになっています。すきまもほぼないので仮に直角度が狂っていたとしても調整代がないためそのまま組み立てました。

土台の左右のフレームにずれがあればその通りに組み立つことになりますが、過剰にずれていれば溝に対してフレームがそもそもはまらないでしょうからその心配はしなくて良さそうです。

直動機構

直動ガイドはアルミフレームにV溝が切られていて、面取りされたローラが走行するしくみです。

Vローラーの調整にはカムボルトが使われていて、締めるとローラーとV溝の間の遊びを減らして与圧をかけることができるため、剛性を発揮できます。

Y軸、Z軸のフレームはある程度の太さがあるため、リニアブッシュよりは構造上の剛性がありそうです。

別の3Dプリンタには片持ちのリニアガイド式のフレームもよく見ます。リニアガイドの許容荷重と剛性は圧倒的だと思いますが、門型の優位性で張り合えそうです。

駆動はX軸、Y軸がタイミングベルトで、Z軸は柱の両側で二本の台形ねじが使われています。

オートレベリング

はじめに、オートレベリングをします。テーブルの17点の高さを取り、テーブルのレベル出しをします。テーブルの四隅を上げ下げして物理的に平面を出すのではなく、Z軸の制御でテーブルに平行になるようにノズルを動かすらしい?です。

Vyperのノズルにはタッチセンサがついていて、外力が加わるとセンサーがオンになります。指で触るとエクストルーダカバーの中で内側の赤いLEDが点灯するのが見えます。

開始すると、液晶に「ノズルを触れ」という旨のメッセージが表示されます。

ノズルを触ってタッチセンサが反応することが確認できるとオートレベリングが開始されます。

おそらくセンサが壊れていることに気づかずに開始するとベッドにノズルを無限に押し付けることになり、破損の危険があるためでしょう。

Amazonのレビューでこれを初期不良と決めつけて星1を付けている人がいました。

購入前にそのレビューを見ていたせいで、自分も「あっ、あのアレだ!」と思いこんでしまい、画面の説明をろくに読まずに試行錯誤していましたが、その途中でノズルに触ってLEDの点灯を確認したことにより偶然オートレベリングが開始したため、手詰まりにはならずに済みました。

ノズルを触る手順が必要なことを知ったのはオートレベリングが終わった後いろいろ調べた後でした。そんな時間をかける前に、おとなしく機械の表示を読めばそれで済んだのですが…

いまどき、最悪英語力がゼロでもスマホで画面を撮ればGoogleグラスが翻訳してくれます。

プリント(ちょっとPLA+PETG)

とりあえず、付属のPLAフィラメント10mで、付属のSDに入っているフクロウのGコードを印刷しました。

今までABSフィラメントで使っていた3Dプリンタ(2011年のもの)とは材質の違いもありますが当然のごとく段違いにきれいです。

テーブルからの剥がしやすさも良い感じです。低価格化も含め、時代の進化を感じます。

Vyperの初フィラメントにはPLAより高強度、ABSより造形性が良いらしいPETGを選択しました。

理由としてはヘルメットのバイザー留め具の部品を作ったとき、PLAで作ったものはクリープ変形ですぐにゆるくなってしまったのに比べ、ABSのものは全く問題なかったことからPLAの実用性に疑問があったことと、かといってABSでプリント成功率があまりに低かった場合に新3Dプリンタへの愛情が薄れてしまう懸念があったためです。

PLAはテスト用の10m分しか使っていないのではっきり優劣はつけられませんが、PETGもなかなか悪くありません。PETGで面積が広く高さが低いモデルを造形すると、やはり反りによって角がベッドから剥がれてしまうことや、糸引きが目立つということはありますが、外観が機能となるフィギュア的なモデルを造形しないのなら問題ない範囲です。

3Dプリンタで低品質な造形の許容量は鍛えられている自負があるので、多少のことでは動じません。

2023/4/1追記

Vyper購入から11ヶ月をかけて、1㎏を使い切りました。

フィラメントの防湿対策などはなにもせず、ホルダにひっかけておいただけですがフィラメント詰まりなどの問題は全く起こりませんでした。

99%は機械部品で、複雑で大きな形状は造形していませんが、造形品質に問題は感じられませんでした。

フィラメントに大きな価格差や何か特筆すべき優位性が見つからない限りはPLAを使うことはないと言えるレベルだったといえます。

PLAとPETGの比較

付属のSDカードにはテストプリントのためのフクロウのSTLデータが入っているため、上述のPETGで同じものを印刷し、PLAでテストプリントしたフクロウと比較してみました。

条件は以下の通りです。

PLA

ベッド温度:60℃

ノズル温度:200℃

スライサー:不明(あらかじめ入っていたGコードを使っているため)

PETG

ベッド温度:90℃

ノズル温度:250℃

スライサー:CURA

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左がPLA,右がPETGです。

PETGの方が陰影がくっきりしているのは写真写りではなく見たままです。

材料の色の透明感の差のようです。

あまりベンチマークに適したモデルではありませんが、

比較したところディテールの細かさに大きな差はありません。

オーバーハング部の垂れ具合なども大きく差はありません。

耳の部分の糸引きは大きな差でPETGの特性らしいですが、除去すれば大きな問題にはならないでしょう。

そのほかPETGに目立つのはインフィルの外面の内側に接した部分がミミズ腫れのように表面に出てきているところです。(後述のモニタブラケットの写真右上のパーツに縞模様ができているのも同様の症状です。)PLAのインフィルパターンは見逃したのでプログラムがどうなっているかわかりませんが、少なくとも外観にこのような傾向はありません。

インフィルの都合なら、CURAで言う”ライトニング”パターンのインフィルを使えば内側にランダムに接するパターンのため、改善が見られるかもしれません。

プリント(ABS)2023/04/01追記

購入から一年弱を経て、ようやくPETG一巻き1㎏を使い切ったので、

次のフィラメントには同じブランドOVERTUREのABSを用意しました。

PETGに特に不満はありませんが、ABSが問題なく印刷できるなら数値的な根拠はありませんがABSのほうが機械的性質が勝る気がしているのでABSを使いたいです。

また、旧プリンタはABSしか印刷しておらず、その低品質を味わいつくしたので新プリンタでもABSを印刷して、Vyperの性能とやらを見せてもらおうかという気持ちもあります。

PLAとPETGとABSの比較

前回同様、フクロウをまずは印刷して比較してみます。

PLA、PETGのフクロウはPETGのときに印刷したものを残しといたものです。

ベンチマーク用のモデルを造形したほうがよかったかもしれませんがいまさらなのでフクロウでいきます。

PLA

ベッド温度:60℃

ノズル温度:200℃

印刷速度:不明

スライサー:不明(あらかじめ入っていたGコードを使っているため)

PETG

ベッド温度:90℃

ノズル温度:250℃

印刷速度:たぶん60mm/s

スライサー:CURA

ABS

ベッド温度:100℃

ノズル温度:260℃

印刷速度:60mm/s

スライサー:CURA

すべてラフトは使っていませんが、何事もなく出力できました。

黒いフィラメントを買ったので見づらいですが表面の品質はどれも違いは見られませんでした。

糸引きはPETG>ABS>PLAという感じです。

左:PETG、右:ABS

反りはやはり強かったです。スケールを合わせるとPETGは反りは全く見られませんでしたが、ABSはストレートエッジがなくても反りに気づけるほどには反っています。

細長い造形物は大きく影響しそうです。

冷却のため、造形後一時間ほど放置していましたが、時間がたつにつれて不意に「メリ…パキ…」という音がしており、ベッドから剥がすときもあまり抵抗なく外せました。

あとは実用で不満が出ないかを確認していきます。

改造

角度調整式モニタブラケット

設置位置が小高い棚の上なので、ベッド面が目の高さと同じくらいになります。

標準のモニタブラケットは45度固定なので、角度が浅く見づらいです。そのため、角度調節のできるモニターブラケットを作りました。

材料はPETGです。


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軸はM4ボルトです。

3Dプリンタ使いたるもの3Dプリンタ製部品のみで完結する構造を取るべきかと思いましたが、あまりいい形状が思いつかなかったのでやめました。


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角度は寝かす方は水平までいけますが、起こす方はケーブル長さが足りないので右の写真で限界です。取り付け位置を純正部品とあまり変わらないようにしていますが、もっとモニターを奥にすればケーブルの余裕が取れて角度を立てられるでしょう。

トラブル

ホットエンド異常 Hotend NTC abnormal.

買った日の次の夜、プリントをしようとすると、

Hotend NTC abnormal.Please power off then check it and wiring.

というエラーメッセージが出て操作が効かなくなりました。

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おとなしく機会に従って電源を切り、配線をチェックしましたが問題はなく、再起動しても同様のエラーが発生します。プリントだけでなく、ノズル、ベッドの手動での加熱をしようとしても同様のエラーを吐きます。

フォーラムを見たところ、寒い場所に置いているとセンサ異常と誤認識してしまうことがあるようで、私の場合はまさにその状態でした。

後で気づきましたがANYCUBICのVyperのページにも周囲動作温度が書かれていました。

8℃~40℃が周囲動作温度となっています。

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エラー発生時の温度の表示は一桁台の温度で、ヒートガンでベッドとノズルが10℃台くらいを表示するまで温めたところ手動での加熱が可能になりました。温度の上昇が確認できたためそのままプリントに移行しましたが、無事に出力が始まったので一安心しました。

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手ごろなヒーターがヒートガンしかなかったためヒートガンを使いましたが、あまり局所的に温めて配線やカバーを傷めないように十分距離を離すか、ドライヤーなどの比較的マイルドな熱源でゆっくり温めるように気を付ける必要があります。

 

生の葉から松葉茶を作ってみる【サバイバル方式?】

最近読んでいた山賊ダイアリーザ・ファブルの2タイトルで、

立て続けに松葉茶というアイテムが登場し、気になったので作って飲んでみることにしました。

先に結論を言うと、お茶の味ではないですし、個人的にはおいしくもありませんでした。

作ってみる

作り方はほぼWikipediaをベースにします。

ja.wikipedia.org

松の種類によって味が変わるかもしれないのですが、使った松がずっと家に立ってる松で、その辺の知識もないので種類がわからないのが情報の価値を落としていますが仕方ありません。もしわかったら追記しようと思います。

実際に作った手順は以下の通りです。

  • 松葉を木から直接摘む (20g)
  • 水洗いする
  • コップに入れ、水で埋めて24時間ほど置く ※1
  • 根本の茶色い部分と先端の針状の部分を切り落とす ※2
  • さらに三等分に切る
  • 水100㏄と三等分した松葉20gをメスティンに入れる
  • ストーブで沸騰するまで煮る ※3
  • 沸騰後、松葉が茶色っぽくなってから数分煮る
  • 完成! ※4

※1漫画では一日も待っていないはずです。

※2根本と先端の針の落とし方ですが、松葉はだいたい長さが同じなので、

  書類を整えるようにして端を合わせてから両端を1cmほど切ればいいと思います。

※3水から煮るのか、沸騰してから松葉を加えて煮るのか書いておらず、

  より成分が染み出しそうなので水から煮ることにしました。

※4Wikipediaには、味を調えるため砂糖かハチミツをと書いていますが、

  漫画では描かれていなかったため入れません。

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20gの松葉。ひとつかみくらい

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一日水につけておいた松葉

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加熱前の松葉

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沸騰して少し経ったときの状態 茶色がかった色に変化している



煮汁ができたので飲んでみます。

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色はだいぶ薄く、お茶感はありません。

まず感じるのは、材木の香りです。

丸ノコなんかで切断するときにちょうどこの匂いがします。

匂いのする木としない木があった覚えがありますが、おそらくあれは松だったんでしょう。

味は薄いですが若干の酸味と渋みがあります。

 

結論、おいしくありません。

 

もう少し味を出すためには60㏄あたり20gというのは妥当そうです。

出がらしの松葉を噛むと当然ですが同じ味がします。

噛み締めると内側から酸味がするのでそれが煮出されている感じです。

よほどのことがない限りは飲む気にはなりません。

が、Wikipediaには砂糖かハチミツを入れて・・・と書いてあったので、入れると多少おいしく飲めるのかもしれません。

ライブディオのクランクベアリング交換

ある日、走行中にスロットルを戻してもエンジン回転が落ちなくなっていることに気づきました。

路肩に止めて、キーをオフにしても、プラグコードを抜いてもエンジンが止まりません。燃料コックもないので、エアクリーナーの吸気口を手で塞いで何とかエンジンを止めましたが、明らかに異常です。

止まったエンジンをかけ直した直後はキーで停止できます。何度か試した結果、ある程度走行してエンジンが温まってくるとエンジンが止まらなくなるようです。

症状自体はランオンとかディーゼリングとかいうそうで、すすが溜まることなどが原因になるそうですが、ボアアップのためによくエンジンを開けているのでまだそこまで汚れてはいないはずです。

すぐ帰宅しようとしましたが、帰路の途中でエンジン音がディーゼルエンジンのような音に変わり、とうとうエンストしました。

 

再始動は可能だったので恐る恐る帰宅しヘッドを開けると、ピストン、ヘッド両方のエキゾースト側にクレーターがたくさんできています。ここに種火が残ったか、局地的に圧縮比が高い部分ができて自己着火したのかもしれません。

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ピストン、ヘッドをノーマルに戻してもディーゼル音は治らず、最初は原因がわからなかったのですが、ふとこの車種はクランクベアリングの破損がよくあることを思い出し、クランクシャフトを揺すってみるとガタがありました。

ベアリングを外してわかったことですが、このクレーターはおそらく砕けたクランクベアリングのリテーナの破片か、外から入ってきてベアリングを破壊した異物によるものと思われます。

 

そういうわけで、初の腰下ばらし、ベアリング交換をした過程を備忘録もかねて記録します。

他の人が読んで参考にするには文字数が異常に多く、作業内容が端折られていたり意味のないこともたくさん書いてあるので使いにくいかもしれません。

途中でやめたくなるほど文字数が増大してしまい、膨大な時間を使ってしまったところを意地で書き切ったため、他人に伝わる文章になっているかもよくわかりません。

コメントをもらえれば覚えている限り補足します。

エンジン降ろし~分解

エンジンを下ろします。

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フライホイールはテーパ軸にはまっているため、フライホイールプーラーを使って引き抜く必要があります。

アリエクスプレスでクランクケースセパレータとセットで売られていたものを買いました。

s.click.aliexpress.com

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フライホイールプーラーはフライホイールにねじ込むネジの精度が悪く、そのままでは全く入らなかったのでやすりやカッターの刃でネジ山をこすってみたりして何とか入るようにしました。

 

クランクケースセパレータは写真中段のM8ボルトのネジ山が不良で使えなかったため手持ちのボルトを使いました。

さすがに吊るしでは使えないようです。

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フライホイール、ジェネレータを外してボルトの位置を忘れないよう位置がわかるような絵を描いた紙に刺しておきます。

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インマニ、リードバルブ、オイルポンプを外します。

オイルポンプは引っこ抜くだけで外れます。

 

クランクケースカバーのタップのうち、クランクシャフトを中心とした三点を選び、クランクケースセパレータのアダプタをねじ込み、クランクケースセパレータをセットします。

このまま中央のボルトを締めこむことでクランクシャフトを押してケースを引っ張ります。

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外れました。

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片側のケースが外れたら反対側にセパレータをセットし、同じようにクランクシャフトを押すことでクランクシャフトが外れます。

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クランクシャフトが外れました。ベアリングは左右ともクランクシャフトについてきました。

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噛み砕かれたベアリングのリテーナが出てきました。

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ベアリングの玉は10個入りですが、ひとつも割れていませんでした。空回しすると引っかかりのある箇所があるので転動面か玉の表面がやられているのかと思いますが、玉はどうにもなっていないのに、どういう経緯でリテーナが破壊されるのでしょうか。

自力で壊れたのではなく、異物を噛んだのかもしれません。

ベアリングの取り外し

ベアリングを外すとき、クランクについてきた場合はベアリングはクランクウェブにほぼ密着しているので、ベアリングを抜くには外輪を掬い上げて引き抜くベアリングセパレータという特殊工具が必要になります。

ベアリングがケース側に残った場合は、ベアリングの外輪はハウジングにガードされてアクセスできないので、内輪にツメをかけて引っ張り上げるベアリングプーラーという工具が必要になります。

どちらの工具を買えばいいか、どちらも買わなくてはいけないのか、開けてみるまでわからないので、開けてから工具を買いました。

ベアリングはどちらもクランクシャフトについてきたため、メルカリでベアリングセパレータを買いました。

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もちろんアリエクスプレスで買えますが、アリエクスプレスのものは送料と商品価格を足すとメルカリを超えたり、単純にメルカリの方が安かったりします。おそらく転売なのになぜ本場のアリエクよりメルカリの方が安いのかはわかりませんが、この手の製品はamazon、メルカリ、アリエクスプレスなどを見て価格と納期の都合がいいものを買うことにしています。

ベアリングを抜いていきます。

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ベアリングの外輪に工具を当て、(左)

ナットを締めこんでいくと、クサビ状の工具がクランクウェブと外輪の間に食い込み、ベアリングが持ち上がってきます。(右)

締めすぎるとベアリングがはまっている軸まで挟んでしまい、引き抜くときに軸を傷つける恐れがあるので、工具の引っ掛かりがベアリングの外輪を引っ張れるくらいだなと思ったら締めこむのをやめます。

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写真ではもう抜けていますが、付属のアダプタをねじ込んでH字型の部品の中央にあるボルトでシャフトの芯を押し、工具を引っ張り、ベアリングを完全に抜き取ります。

安物とはいえ流石専用工具という感じで、スムーズにベアリングが抜けて爽快です。

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これは使わなかった小径ベアリング用のアタッチメントですが、肝心のベアリングをすくい上げるクサビの刃の部分が丸くなってエッジが利いていません。(写真左)

右はきれいです。使用限界になった鋳型のちょうど切り替え前後だったりして…

今回使った大径用は無事だったので事なきを得ましたが、大径用にもこういう不良がある可能性があるので、必要に応じてグラインダーなどで修正する必要があるかもしれません。

ベアリング打ち込み

ベアリングを外しましたが、交換部品をうっかり注文し忘れていたのでウェビックで注文したところ、あとから「ベアリングは欠品に気づいたのでオイルシールだけ送ります」と言われてしまいオイルシールしか買えませんでした。

ベアリングが再版されるまで一か月待ち、ひとまとめに送れば一回分で済む送料をもう一回払って、ようやくベアリングが手に入りました。

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ようやくベアリングを打ち込めます。

TAIWANと刻印されています。純正はNTN製です。

ディオ系のベアリングは特殊な形状で外輪が厚く、耐久性が弱いといわれていますが、なぜこういう形状なのでしょうか。

変わったサイズにするにしても外輪を薄く、内輪を厚くすれば玉が入るスペースを大きくでき、一発でも多く玉を入れられれば多少は耐久性を改善できそうですが…

また、ベアリングの製造時に玉を入れる時、外輪を少し弾性変形させて入れるそうですが、この外輪の肉厚でうまくいくのでしょうか。有識者と話ができたらいろいろ聞いてみたいことがあります。

 

古いオイルシールをクランクケースから抜き、クランクケースを熱膨張させてベアリングをはめやすくするため、ケースをカセットガスバーナーで温めます。

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放射温度計がないので、素手でクランクケースの端っこをつまみながらハウジングに炎を当て、つまんでいる指が熱に耐えられなくなるまで熱しました。

端っこが触れなくなるほど熱くなるということは、直火が当たっている部分は端っこより数倍は高温になっているだろうということです。

 

まずドライブプーリー側にベアリングをはめこみます。

慎重に入れるつもりでしたが、ベアリングをつまんで差し込もうとしたら、ハウジングのふちに当たって手が滑り、斜めにハマってしまいました。

急いで引っこ抜こうと思いましたが抜けず、このまま冷えてしまうとあらかじめ温めていた分、収縮したときにより強く噛みこんでしまうのでは?と考え、焦ってプラハンで水平になるように叩き込んでしまいました。

最終的に金属棒を外輪に当てて金づちで叩き(良くない方法)、とりあえず底まで打ち込むことができましたが、さっそくの失敗に先行きが不安になってきました。

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とはいえとりあえずベアリングははまっているので反対側もはめ込んでいきます。フライホイール側のベアリングはもともと破損してはいませんでしたが、劣化具合がわからなかったのと、クランクケースを割るときにある程度玉に負担がかかってしまうのもあって、一応換えることにします。

まだクランクシャフトにはまったままだったので、ベアリングセパレータで引っこ抜きました。

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フライホイール側にベアリングを打ち込みます。同じようにケースを温めベアリングをそっと落とします。次はうまくいき、落としただけで8割方はまっていきました。奥まではまっていないのが一番怖いのでこっち側も金属棒を当てて円を描くように叩き込みました。

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叩いていくと音が変わったので座面に当たるまで叩き込んだはずですが、外輪の位置によって音の高さが微妙に違います。

ハウジングの裏側の形状が違ったり、床面に触れている部分も全面均一ではないからだと信じたいですが、見落としたゴミを噛んでいるのではないかと思うと安心できません。

もうどうしようもないので、無事にエンジンが組み上がり、その後問題がなければ上手く組めたんだと思うことにします。

まだエンジンが無事に組めるかもわかりません。

クランクシャフトの組付け

amazonで中国製のクランクシャフトインストーラーを買いました。

Amazonで買えば2900円、AliExpressで買えば900円+送料2000円です。

 

納期分Amazonが得なのでAmazonで買いました。

届いたものを確認してみると、三つのアタッチメントの中にクランクの左右のネジに対応したものがちゃんと入っていました。

ネジが切られてないという不良品もあるようなので注意が必要です。

試しにネジ込んでみると、タップが斜めに切られています。

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右端についているのがネジが傾いたアダプタ

まともに使うとツールでクランクを引っ張ったときに斜め方向の力がかかって良くなさそうですが、雌ねじも相応に甘いので、舐めない程度に数山だけねじ込んで、敢えてガタつくようにしておけば、そのガタで偏角が吸収できそうなのでその方法でやってみることにします。

そのほか、寸切りネジのスパナ溝にバリがあってナットが入らず、手直しが必要だったりしましたがとりあえず使えそうです。

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プーリ―ケース側から入れていきます。

クランクシャフトインストーラ―は、クランクケースを支えにしてクランクシャフトの端っこを引っ張ることでシャフトをベアリングに圧入しますが、これはつまり玉を介して力を加えていることになるため、ベアリングにとっては良くないはずですが、新車の組み立ての際はどうしているのでしょうか。

参考にした動画ではベアリングをまずクランクケースに入れていたのでそうしましたが、ベアリングに負担をかけない組み方を考えるなら、クランクにベアリングをはめ込んでから、温めたクランクケースに引っ張り込むなどして解決しているのかもしれません。

サービスマニュアルには書いてあるのか、持っていないので想像しかできません。

コメント欄で教えていただいたところ、インストーラー本体をケースで支えるのではなく、オイルシール穴に通る程度のカラーを先に入れておき、ベアリング内輪を支えてクランクシャフトを引き込むらしいです。

内輪とクランクシャフト同士の摩擦力を内輪で支えるため、ベアリングには負担が加わりません。

 

このクランクを引っ張り込む作業でひとつ迷った点がありました。

普通?軸とベアリングのはめ込みは、軸のつけられた段差が内輪に密着するまでだったりしますが、クランクの左右の位置決めは軸の段差のように明確なストッパーがなく、クランクウェブとクランクケースの左右の隙間を適度に振り分けるだけのようです。

 

なので、ケースを割る前にクランクとケースの隙間が左右にどれくらいあるか測っておくのがよさそうです。

割る前に見なかった自分はよくわからなかったので、引っ張り込み過ぎて戻す必要が出ない程度に(クランクを引き抜くことはできないため)適当に入れました。

次に、合わせ面に液体ガスケットを塗り、ジェネレータ側のケースをはめ込みます。

この工程は雑にやると組んだ後に二次エアを吸う可能性があるので注意が必要です。

この時はその危険に気付いていなかったため、ホコリを念入りに落としてないケース同士をはめ合わせるときに落ちたホコリが塗布面に付いたりしました。

大きなものは取り除きましたがつまみ上げられない粉は諦めて組んでしまっていましたが、よく考えるとけっこうやばいです。ケースの平行度が狂う原因にもなります。

当たり前といえば当たり前ですが、下ろしたエンジンはきっちり掃除して、割った後の古いガスケットのカスなども落として作業しましょう。

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もう一方のケースをはめ込んでいくときに

・ケースの取り付けネジを使ってはめ込んでいくか、

インストーラーを使って合わせ面が接触するまではめ込んでいくか、

どうするか迷いましたが、ボルトがかかるまではインストーラーで引き込み、残りはボルトを均等に締めこむことで組み立てることにしました。

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ボルトの長さには一つ一つ違うので、位置がわからなくならないよう、あらかじめ段ボールにクランクケースの絵を描き、ボルトを差し込んでおきました。

クランクウェブとケースの隙間が均等にはなりませんでした(右の方が少し広め?)が無事にクランクケースを閉めることができました。

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クランクケースの段差が気になりますが、分解前に撮った写真でも同じくらいずれているので問題はありません。鋳物の寸法誤差でしょう。

ケースには位置決めピンがあるのでやたらにずれることはありません。

インマニの取り付け面はたぶん共削りされた切削面なので、インマニを締めつけて左右の削り面のツラを合わせることで位置決めするのもいいかもしれません。

オイルシールとジェネレータの組み付け

オイルシールをはめ込みます。キズ防止になるかわかりませんが滑らかに入るようにリップ部に2ストオイルを塗って入れてみました。

オイルシールの上面とクランクケースのボスの端面がツラになるまで入れます。

当て面はないので入れただけ入ります。

ジェネレータはネジ止めするだけなので簡単です。

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フライホイールははめ込んで、ナットを既定トルクで締めることで固定します。

ファンを取り付ける雌ねじにボルトをねじ込んで、お手製プーリ―ホルダーで回り止めし、トルクレンチで締めこみます。トルクはググったところ4kg・mらしいです。

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エンジンの載せ直し

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オイルポンプのシャフトを差し込んでポンプ本体を取り付けます。
先端にはネジ状の形状ですが、特になにか位相を合わせたりする必要はなく、オイルポンプを上からはめ込むだけです。多分これはねじ歯車かと思います。

後ほど、オイルは問題なく送られていることを確認したので組み方に問題はなかったはずです。

 

オイルポンプ、インマニ、シリンダ周りを取り付けてあらかた組み上がりました。

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ケース合わせ面の液体ガスケットが硬化するまで24時間程度待つ必要があります。

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エンジンを載せるのはそれほど手間ではありません。

下ろすとき、コネクタやホース類は「付くところにしか付かないから記録はいらない」

と思ってはっきり記録は残しませんでしたが、おおむねその予想は間違いなく、組み直しができました。

 

エンジンの始動を確認し、稼働中にクランクケース合わせ面にパーツクリーナ―を吹いたりして見ましたが二次エアは吸っていませんでした。

もし気密に問題があればもう一度ばらす羽目になるので不安でしたがひとまずはなんとかなったようです。

これで、「クランクケースの分解、組み立てができる」という実績を解除しました。なかなかここまでやる人はいないでしょうから、どこまで整備できるか?という話題になったら(ならないですが)イキることができます。

あとは早期に問題が出ないことを祈るばかりです。

 

後日、スーパーユーロコルサを付けて数キロテスト走行しました。

10000rpmまで回してスピードメーターが振り切るところまで試しましたが、

特に異常も感じられなかったのでおおむね問題なかったのかなと思います。

 

この作業にかかった金額は、

KN企画クランクベアリング×2・・・¥2000

KN企画オイルシール左右×1・・・¥1007

クランクケースセパレータ+フライホイールプーラ・・・¥3842

クランクシャフトインストーラ・・・¥2970

ベアリングセパレータ・・・¥5480

パイロットベアリングプーラ・・・今回は必要なし

計¥15299

正直、作業時間も含めるとお勧めできる金額ではありません。誰かに工具を借りられるなら部品代だけになるのでやってみてもいいかもしれません。

 

これまでにディオの改造に使った金額を全部足すとヤフオクでアドレス125が買えてしまいます。そしてアドレスの方が速くて燃費もよく、トラブルも少ないでしょう。

ボアアップキットはオシャカになり、ベアリングが届くまでの空き期間でブレーキにも問題を見つけてしまったし、タイヤももう交換しなくてはいけません。

ここからさらにいくらかかるのか…?

Amazonのポリスポーツ風チャンバーガード

チャンバーガードを取り付けました。

魚の骨タイプである程度板厚がある頑丈そうなのがよかったのですが、

探し方が悪いのかいいものが見つかりませんでした。

ポリスポーツのアルマジロ パイプガードは見た目とサイズ的によかったので取り付け動画などを見てみましたが、持ち上げただけでしなるくらいの薄さのステンレス版で作られています。残念ながら頑丈ではなさそうですが、エラストマーと金属板のサンドイッチなのでこれはこれで防御力があるのでは?と思ったので購入を考えましたが、9000円弱の価格なのでちょっとためらっていました。

 

他になにかいいものがないかとAmazonで調べると、同様の商品が半値程度で販売されています。

ちなみに当然ながらAliExpressでも売られています。

s.click.aliexpress.com

見た目は全く同じに見えますが、おそらく正規品ではありません。

構造的にそこまで値段の張りそうな作りではない気がするので、コピー品とはいえそれなりに使えるものなのではないかと考えて買ってみました。

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持ち上げたときのしなり具合は取り付け動画で見た正規品と同じ感じです。

見ると、正規品はホームページでステンレス製と書かれていますが、この商品はアルミのようです。板厚は1mmです。

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素材は違いますが、しなり具合が同じということはステンレスよりは厚い可能性があり、トータルの強度はそこまで変わらないのではないかと思います。

付属品もほぼ同じで、パイプバンドで本体を直接締めるか、金具のみをパイプバンドで締め付け、本体は金具にネジ止めする方法の二種類が選べます。

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しばらく使いましたがエラストマー部分が溶けたりすることもありませんでした。

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防御力は大してなさそうですが、エラストマーである程度衝撃を吸収、芯金で荷重を分散してくれそうなので角にぶつけてエクボができたりすることは防げそうです。

 

防御力(実戦編)

このガードの防御力が発揮されるときがやってきたので追記します。

状況としてはライディングの練習会で、1速、半径3~4mの大回りのときに後輪がズルっと滑ってそのまま倒れました。

メーターを見てる余裕はなかったですが、エンジン音的にはたぶん30km/h程度だと思われます。

エラストマー部分は一撃で剥がれ、アルミが削れています。

転倒時に触れる部分を端っこにしておいたので、ステンレスバンドも一役買ってくれたのか、めくって確認してもチャンバーは見た目に凹んでいませんでした。

こういう部品を付けた場合、衝撃が分散されてまんべんなく凹んでしまえばパッと見には気づかない可能性もありますが…

何もなくても凹みはしなかったかもしれませんが、少なくともキズ防止にはなることと、エラストマーはちぎれてしまうことがわかりました。

正規品はどうなのか比べてみたいところです。

 

2023/5/4追記

ふと見るとチャンバーに密着させたヒレ部分が広がっていました。

直そうと手で押し付け直しても力なく広がります。よく見るとアルミ板が割れており、

そのせいでコシがなくなってしまったようです。

何本もあるヒレの複数が同様の状態になっています。

おそらく、ヒレのひとつひとつが走行の振動で揺れるうちに金属疲労で折れたのでしょう。

寿命は一年半でした。

正規品がステンレスなのはこういうことなのかもしれません。

鉄系材料なら疲労強度も高く、疲労限度以下なら破断することはありません。

現に取り付け時に切り詰めていないステンレスバンドのはみ出し(上の写真を参照)は健在です。正規品がこのような素材を使っているとすれば千切れることは全く想像できません。

なんというか、初めは遜色ないように見えて、長期間使うとはっきりと問題が出てくるというのがいかにもパチモンという感じがします。(正規品の強度と寿命は不明ですが)

リヤカーを作ろう

よそに保管していた薪を取りに行ったらシロアリが山ほどついていました。

気持ち悪いので車に載せたくありません。

そもそもセダンで薪なんかを運ぶこと自体が間違っている気がします。

軽トラがすべての面においてベストですが、軽トラが必要な状況というのが他にあまり思いつかないうえ、そこそこの維持費がかかります。

次点でトレーラーが思いつきましたが、少なくとも軽自動車登録が必要で(自動車税がかかる)、購入代金がかかり、場所はそれなりに取り、単体では機能しません。

トレーラーはキャンピングトレーラーだとか船を運ぶとかの特別な目的があるか、特別大きい荷物や人と荷物を同時に運ぶなど、単車ではどうにもならない場合でないとあまり利点を発揮できなそうです。

 

結論、リヤカーを自作して原付で引くことにしました。

運ぶ薪も一回でそれほど多く運ぶわけではないし、

税金がかからずイニシャルコストも(他の選択肢に比べて)かからないのでよさそうです。

それに、ものづくり欲を満たすのにも手頃そうです。

フレームの作成

フレームは家に余っている2×4くらいの木で作ります。

荷台面は1600×750くらいです。幅はバイクのミラーを含めた幅と同じ程度にし、長さは適当です。

日の字に枠を組みます。接合部はコーススレッド+ボンドです。

ボンドで少し強度アップを期待しています。

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バイクと繋ぐための腕の部分はリヤカーのように二本にしました。

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世の中のトレーラを見るとトラクターとの干渉を避けるためか一本出しのものがよく見られます。金属製でボルト留めや溶接ならそれでもいいですが、

このトレーラーはボルト接合+木製なので、なるべく曲げモーメントがかからない方法を取りたいと思ったからです。

ジョイントを頂点に三角形に伸ばしてもいいですが、ナンバーやテールランプが隠れないようにするには四角く取り回した方が良いのではないでしょうか。

車輪

車輪は走行性能とかっこよさからいって、ある程度大径で空気入りのタイヤがいいです。

自転車のタイヤぐらい大きいほうがかっこいいですが、荷台の面より車輪が高いと使い勝手は落ちるし、自転車のタイヤは軸径が細いので、一輪車(ネコ車)のタイヤを使うことにしました。

ホームセンターにあるので入手性もよく、ホームセンターで手に入る車輪の中ではいちばん直径が大きいわりに安いです。一本1000円くらい。

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これは一輪あたり耐荷重が70kgだそうなので2本合わせて140kg、リヤカーの積載制限は120kgなのでちょうどよくなりそうです。

軸径は16mmで、一輪車用の軸は付属しますが片持ちにするには長さが合わないのでM16のZボルト、ナットを買いました。

 

Zボルトは木造建築用のボルト規格で、強度区分4.6相当とボルトの強度としては最低限な感じですが、ホームセンターに置いている中では同じ強度区分のボルト、ナットと比べてもだいぶ安かったです。

なにより付属の軸に代わる長めのスタッドボルトのようなものはこれしか取り扱いがありませんでした。

有色クロメート(金色のような虹色のようなやつ)メッキされており、JISを見ると建築用だけあってか、ある程度耐食性が考慮されているようです。

木に対して使うものなので、厚手の角座金などもラインナップがあり、木製フレームには最適かもしれません。ボルトとしてはそこまでの強度ではないとはいえ、一輪車の車輪や木製のフレームに合わせる分には全然不足はない強度だと思います。ボルトだけ強くしても座面や部材が先に負けるでしょう。

 

一応計算してみると、100mmの片持ち梁に70kgfかけたとして、70N・mのモーメントがボルトにかかったときの応力はだいたい175MPaでした。安全率的には1.3くらいですがまあいいでしょう。

ボルトが曲がって鬼キャンになるようなら構造を見直します。

 

 サスペンション

走行するものを作るなら、サスペンションを備えなければ面白くありません。

ダブルウィッシュボーンなどのアームが進行方向に直交する向きのサスペンションは付け根をテコのようにこじる力のかかり方になるので木製フレームの強度、剛性から言っても都合が悪そうです。

構造が簡単で、フレームにも部材を増やさずなじみそうなのでトレーリングアーム式のサスペンションにしました。

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ピボット部は20mmのアルミパイプを使い、両端Rピンで抜け止めにしています。f:id:drops662:20210907001226j:plain

スプリングはミスミのやつ、ダンパーにはコガネイKSH10X15Cを使用します。

どちらも不用品をもらったものを家に遊ばせていたもので、こういうときに在庫がハケるのも気分がいいです。

スイングアームはストロークの割には長くしています。スプリングを直接配置しているため、アームの上下によるスプリング座面の傾きをなるべく少なくするためです。

 初めは純粋なトレーリングアームでしたが、車輪が片持ちのため荷重がかかったときにアームがねじれてアームの回転軸を支えるところ(クレビスっていうのか?)が広がっていたのでトレーリングアーム間に梁を追加して、いわゆるトーションビーム式にしました。

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トーションビーム追加前 70㎏程度積載時

スプリングは車軸より後ろにしていますがそれでも反発力が足りないので二列で使います。サスストロークは40mm程度です。

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ダンパーは余っていたのを消費するために後から追加しましたが上に乗って車体を揺する程度なら結構効いてる感じです。

しかし、ダンパーの吸収エネルギーはカタログ値10Jなので、あまりピンときませんがモノに対して容量が小さいのは想像できます。そもそも本来の使い方でもありません。

減衰力は無段階調整が効き、MAXにすると10J程度のワークに対して使うにはほぼ剛体に衝突するのと変わらないのでは?というほど硬くなります。

構造上縮み側にしか働きませんが、伸び側減衰は弱いほうが良いとも聞くので(いろいろ条件はあると思いますが)別にいいかなと思っています。

そもそも駆動輪でもなければブレーキもないので、びよびよいつまでも揺れなければオッケーです。

 

余り物を使わずに新品で用意するならバイクのショックのような両端にブラケットがついたユニットを買って付けたほうが楽でいいと思います。

牽引ジョイント

ジョイントはどうすればいいか、結構迷いました。

バイクで牽く場合、バイクのバンク、旋回時の折れ曲がり、坂の頂上や段差などでの縦回転を吸収する必要があります。最初はピロボールを使おうと思っていましたがバンクに対する許容角度がいまいち足りません。

実際リヤカーを牽いている最中は大してバンクしないと思いますが、バイクの場合は転倒することも考慮しておかないと、いざ転んだときにジョイントが壊れたりしたら困ります。

四輪用のトレーラーに使うヒッチボール+カプラーも、ねじり方向の許容量は少ないように見えるためバイクには適していないでしょう。

短めの鎖などで繋げば自由度は高くなりますが、自由度が高すぎると遊びが大きく、絡まったり加減速時の衝撃につながります。

シャックルを買ってみたりチェーンジョイントを買ってみたりしましたが、結果的に

アイナットと自作のブラケットだけしか使いませんでした。

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リヤカー側に貫通穴を開け、ボルトを通してアイナットをダブルナットで固定し、アイナットが自由に回転するようにします。

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スリーブを打ち込み、グリスを塗ったボルトを通す

これでバンク角(ロール)を吸収します。写真ではリヤカー側を回しています。

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ブラケットからピンを出し、アイナットに通して固定すれば、ピンは地面に垂直なため旋回時のバイクとリヤカーの角度(ヨー)を許容します。

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バイクとリヤカーの上下(ピッチ)は、アイナットのアイの径に対してピンが細い分、一定の角度は許容します。

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ピッチ角に関しては比較的振り角がありませんが、リヤカーは一対の車輪しか持たないため、リヤカーそのものが傾くことでも吸収されるし、バイクを倒しても大きく角度が付くこともない部分です。

リヤカーを牽いている最中にウイリーしたりガケを降りる予定がない限り、それほど大きな許容量は必要ありません。

テスト

実際に荷物を運んでみました。

この時点ではダンパーは未装着、ジョイントは車体側、リヤカー側それぞれに固定したアイボルトをチェーンジョイント(リングキャッチ)でつないだ遊び多めのバージョンでした。

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205/60 R16スタッドレス4本を運んだとき

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丸太(80㎏程度?)を運んだとき

タイヤ、木を運んでみましたが特に問題はありません。

一本道は多少のカーブがあっても牽いていることを忘れるくらいにスムーズです。

発進時、蛇行(試しにやってみた)、右左折などは重さを感じたりリヤカーに振られる感覚はありますが、走行の問題になるレベルではありません。

10km程度の道のりを無事に運ぶことができました。

灯火類

リヤカーにはテールランプはいらないはずですが、荷物を載せると車体のテールランプが隠れる場合があるので、取り付けることにしました。

Aliでテールランプを買います。

このランプは幅が50mmで、2×4の短辺にフィットします。

商品説明には執拗に2個セットの写真が載っていますが、実際には一個の注文で一個だけ届くので注意が必要です。

うっかり間違えて一個しか買わなかったので、もう一個はAmazonの中古品(24V用)を買い、ばらしてLED用の抵抗を並列に追加して下がるように改造して使っていますが明るさが左右で違ってしまいました。

ランプの電力は車体のテールランプの配線を分配し、車体外に出してキャリアの上の端子箱に接続しました。

ランプはM5のネジで固定するため、ピッチを測ってM5鬼目ナットをねじ込み、配線の逃がしのためフレームの一部を抉ります。

配線を車体まで取り回してテールランプの点灯を確認しました。

配線は引っかけないようにうまくフレームを這わせておきました。

その他

製作費は、

木材・・・¥0

スプリング(SWY42-100)・・・¥0(一個¥700)×4

ダンパー(コガネイKSH10×15C)・・・¥0(買うと一個¥10000くらい)×2

車輪・・・¥1800×2

車軸用ボルトナット・・・¥1000

Rピン・・・¥100×4

アイナットなどジョイント関係・・・¥1000(使ったのは¥120のアイナットだけ)

テールランプ 2個・・・¥1500

配線類・・・モノによる

 

うろ覚えですがだいたいこのくらいだと思います。

リヤカーとしての基本の構成なら(灯火、ダンパー等を抜くと)10000円くらいで済むんじゃないでしょうか。

【ライブディオ】KN企画 強化クーリングファンの効果

ライブディオをボアアップしました。

ボアアップに伴って冷却能力を上げるため、KN企画の軽量強化クーリングファンに交換しました。

強化とはいうものの、純正より本当に風量が増えているのか確認するため、自分なりの方法で比較してみました。

結論から言うと、風量は明確に増えました。

f:id:drops662:20210514212203j:plainメッキのタイプが一番安かったのでそれにしました。

ライブディオの場合ファンカバーが大きく、ファンが奥まっているので何色だろうとほとんど見えません。強いて言えばメッキのが光を反射してまだ目立つ可能性があります。

外観の差

ファン形状
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左上と右下が社外ファンです。

羽の枚数はKN企画が20枚、純正が18枚です。

形状の大きな違いとして、純正ファンは正面外周が覆われています。

羽の保護のためと思われます。

直径
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純正が132mm、KN企画が133.5mmです。

高さ

直径が同じなら、風量は羽の枚数と羽の高さで稼ぐのだろうと思っていましたが、

KN企画の方がだいぶ羽は低いです。

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高さは純正が45mm、KN企画は35mmです。

素人の感覚としてはこれほど高さが小さくなってしまったら羽の面積も稼げないし、風量を上げられないだろうとこの段階では疑っていました。

初めに言った通り、純正に比べて風量は増えます。

羽を低くした方が風量が増えるのか、あまり関係ないのか、

高さを減らしたのを帳消しにできるほど羽の枚数2枚アップにすごい効果があるのか。

それとも羽の正面のガードがないのが効いているのか。

奥が深そうです。

純正ファンとKN企画ファンの重量差

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純正ファン+純正ボルト
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KN企画ファン+付属ボルト

ボルト込みで純正が135g、KN企画が105gくらいです。

純正は4本のボルトで止めているところを、KN企画の方は二本で止めるように指示があります。

穴も二つしか空いていません。

純正ファンとKN企画ファンの風量の差

風量を比較します。風量計みたいなものがあればいいですが持っていません。

代用として、PC用ファンを回転させると発電できるのでこれを利用します。

どれだけの電圧が発生するかを風量の指標とします。

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上の写真は指で羽を回したところです。

PCファンのVccとGNDに2KΩの抵抗器を挟み、端子間電圧を測ります。

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冷却ファンの吸気口にPCファンを貼り付け、エンジンをふかして発生電圧を読み取りました。

 やってる内容が夏休みの自由研究のようです。

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左:純正 右:KN企画

7000回転時の出力電圧です。KN企画のファンの方が明らかに大きいことがわかります。もろもろの誤差があったとしてもおよそ覆らない差です。

さらに、純正ファンではアイドリング中にPCファンの羽は回りませんでしたが、KN企画のファンの場合はアイドリング中でも羽が回りました。

各回転数での出力電圧は以下の通りです。

      純正     KN企画

2000rpm  0mV                 1.4mV

3000rpm  127.7mV          536mV

4000rpm  438mV             901mV

5000rpm  944mV             1725mV

6000rpm  1438mV           2135mV

7000rpm  1934mV           2529mV

 

冷却風の排気に手をかざしても差はわかりますが、やはり感覚だけでは「そんな気がするだけかもしれない」「手のかざし方の違いかもしれない」と思ったり、ファンの形状が見た目には羽の高さが減っていたり、素人目には「この形状では性能ダウンなのではないか?」という邪念も相まって正しい判断ができないので、こうして数字で見られたことで確信が持てました。