レガシィBP,BL型 パワーウィンドウスイッチの修理

スイッチが戻らない!

ある日、車の窓を開けたらバキッと音がしてスイッチがニュートラル位置に戻らなくなった。このままでは常にフルオープンで走ることになってしまう。

スイッチを持ち上げるとばきり、と音がして上がった位置でまた止まり、窓は閉まってくれた。

とりあえずスイッチは効くようだ。

何か引っかかりがあるようで、動かすたびにバキバキ音がする。

グリスか何かが切れて動きが悪くなっているのかと、スイッチの隙間からシリコンスプレーをたらふく喰らわせたが一向に改善する様子はない。

修理しないとなと思いつつしばらく使っていたら、バキバキという音はしなくなり、スイッチが位置を留めようとせずふらふらになった。

 

これはグリス切れだとかチャチなもんじゃあ断じてねえ と思い、開けてみることにした。

どうせ直すとなればスイッチユニットごと交換しなくてはならないだろうから、バラしてなんとかなるならラッキーだ。 

分解

ドアの内張りをはがす。 

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ネジやクリップを数本外せば特に難しくもなくスイッチユニットが外せる。

外し方は調べればわかるので割愛する。というか覚えていない。

ユニットは防音のためか毛羽立ったテープでふさがれているので破らなくてはならない。

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これはユニット裏側。たぶん。

数か月前の作業を今やっているかのように書いているのでうろ覚えなところがある。

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ネジをいくつかとツメを外すとスイッチの機構部分と基板を分けることができる。

ここにもテープが巻かれているので破らなくてはならない。

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不具合が出たのは運転席側のスイッチ。

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スイッチを外したところ。

これを外すのはなかなか骨が折れるので注意。

パチッとはまっているだけなので精密ドライバーのマイナスやナイフの先を滑り込ませてこじれば外せるのだが、隣接したスイッチが邪魔なのと、薄いプラスチックなので割れないように注意する必要がある。

はずして内側を見ると白い棒状の部品が折れていた。

写真を撮り忘れたが、スイッチのベース側にはV字の谷状の溝があり、白い棒はばねで溝に押し付けられている。スイッチを倒したときは棒が押し縮められ、手を離すとばねの力でV溝の谷底へ導かれる。つまり、ニュートラル位置に戻ろうとする。

今回はこの棒が折れたためスイッチが動かなくなったのだ。

途中でバキバキ言わなくなったのは折れた破片が邪魔にならない位置へ行ったためだろう。

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基板のスイッチ側。この白い部品はオートで上げ下げする機能のある運転席側のスイッチにのみついており、スイッチ(車内から見える黒いほう)から生えた長いフォーク状の部分が基板のスイッチ(どっちもスイッチでわかりにくい!)の棒を前後に動かす。

 

とりあえず、折れた白い棒をなんとかしなくてはならない。

交換部品を…と思ったがこの白い棒の名称がわからない。

それにここだけが交換部品として販売されているとは思えないし、あったとしてもきっとこのプラスチックのかけらに数百円の値がついていそうだ。

これに金を払いたくはない。

とはいえ、原因がただのプラスチック片が折れただけと分かった以上ユニット交換するのもばからしい。

真っ先に思いついたのはタミヤセメントでくっつける、という案だがおそらくすぐに接着部が折れてもう一度ドアの内張りを剥がす作業から繰り返すことになるだろう。

面倒なので信頼性のない方法は避けたい。

 

ただの棒なんだから、何か適当なもので代用可能ではないか?

部屋を見渡したがあまりいいものがない。

サイズがたしか2.5mm角とキリの悪い寸法なので手ごろな材料を切って使うことはできない。

t3のアルミ板はあるが細く切るのもなかなか手間がかかりそうだしさらに2.5mmまで厚みを減らさなくてはならない。さらにプラスチック相手に金属を使うならピッカピカに磨かないとベースがギッサギサになってしまいそうだ。それは困る。

工作からDIYまで、ユニバーサルなプロダクト

ふと、t3のプラスチック、それも丈夫なABSで入手性の良い材料があることに気づいた。プラスチックなら削りやすいしベースに対しての攻撃力も少なかろう。

タミヤ 楽しい工作シリーズ No.156 ロングユニバーサルアーム (70156)

タミヤ 楽しい工作シリーズ No.156 ロングユニバーサルアーム (70156)

 

ご存知、タミヤのユニバーサルアームである。実際には下の半透明の方を使った。

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中学生の技術の授業で使った山崎教育システムの部品だ。多少仕様は違うがタミヤのものと互換性があり、厚さは同じだ。ちなみに穴のピッチも5mmの倍数で空いている。

ある程度の幅で切り取り、やすりで削って元の部品と同じサイズにする。

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スイッチにはめてみて、スムーズに動くか試しながら調整する。

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完成した。

元の部品にはC面取りと、V溝に接する棒の先端が丸く加工されているのでそれも同じようにやっておく。

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いい出来だ。

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ミニ四駆についてくるタミヤのグリスを塗って組み立てた。

毛羽立ったテープの代わりには養生テープを巻いておいた。防音性は少なそうだがないよりはマシか?

多少棒が長かったようで、スイッチの手ごたえが少々強く感じられるが動作に全く問題はなく、数か月たった現在も問題なく使用できている。

削り出しなので、おそらく棒が折れることはそうそうないだろう。